イチゴの赤やマンゴーの黄、抹茶の緑。
それら色鮮やかなかき氷を入れる容器は、
陶芸家が手掛けたかわいい水色の器。
思わず写真を撮りたくなる、愛らしいかき氷を求めて、
離れ小島に向かってドライブしよう。
青い空や海、赤や黄色の花を咲かせる南国の植物、
朱色の瓦を載せた古民家など、沖縄は色彩が豊かで、
車窓から風景を眺めているだけでも楽しい。
亜熱帯の森を求めて走る北部コースや、
サトウキビ畑が広がるのどかな景観が魅力の南部コースなど、
ルートによっても楽しみ方は変わってくる。
中でも海中道路を渡って離島を巡るコースは、地元人にも人気が高く、
夏は小島のビーチを目指して車を走らせる人も少なくない。
うるま市の勝連半島と平安座島を結ぶ海中道路を渡り、
さらに小橋を渡って、宮城島、伊計時島、浜比嘉島へ。
各島にはそれぞれに特色があり、
沖縄の原風景を感じさせる古い建物も残されている。
カフェやレストラン、手作りの工房も点在しており、
立ち寄りスポットも多い。
最近の話題スポットと言えば、宮城島に窯を構える
陶芸家・島袋克史さんのギャラリーに隣接するように店舗を構えた、
陶器とかき氷の専門店「瑠庵+島色」。
今年5月下旬にオープンしたばかりのお店だが、訪れた人が
FACEBOOKやブログなどで紹介して広まり、話題を呼んでいる。
果実をベースに作った自家製シロップを掛けたいちごみるく700円。
果物のおいしさをしっかりと残していて、口溶けもいい
甘みと苦みがほどよく絡む抹茶みるく金時800円。
愛知県西尾市で生産された抹茶を使用
かき氷を作るのは、神奈川県にあるかき氷専門店「埜庵(のあん)」
で修行していた西澤さん。「以前から沖縄に暮らしてみたかった。
沖縄に行くなら自分のお店を持ちたいと思い、
かき氷が好きだったこともあって、埜庵さんにお世話になり、
勉強させてもらいました」
元々沖縄には、金時豆に氷を掛けた「ぜんざい」と呼ばれる氷菓子が
昔から親しまれていて、氷にシロップを掛ける本土でいうところの
「かき氷」は主流ではない。しかし西澤さんは、
「ぜんざいとはまた違う自家製シロップのかき氷を、
沖縄の人たちにも食べてほしい」と、
果実をベースにした手作りシロップにこだわったかき氷を提供する。
いちごやマンゴー、
こだわりの抹茶を使った抹茶金時は濃厚な味わいで、
氷が溶けた後も、ジュースのように飲めてしまうほどのおいしさ。
小豆も長時間しっかりと炊きこまれており香りも豊か。
氷にもこだわりがあり、口溶けを意識して、あえて一度、
常温に戻してから削っているという。
舌に入れてすっと溶ける感覚は新鮮。
左が陶芸家の島袋克史さん、右がかき氷を作る西澤翼さん。
二人の職人による丁寧な仕事から生まれたかき氷は、
友人や知人に教えたくなるおいしさ
かき氷を入れる容器はガラスではなく、
陶房ギャラリー・島色の島袋克史さんが、
オープンに合わせて手掛けた陶器。
宮城島の景観からインスピレーションを受けて作った
焼き物は端正で美しく、かき氷のおいしさをさらに引き立てている。
「克史さんの器を初めて見たときから印象がよく、
いつか一緒にやりたいと思っていました。夢が叶いましたね」
と話す西澤さんは、
その喜びを隠しきれずうれしそうな表情を浮かべていた。
沖縄の風土を感じてもらいたいと宮城島の土を使って作った作品にも
力を入れる島袋さんの器は、店舗にて展示販売を行っている。
また、隣接するギャラリーにも作品が置かれているので、
立ち寄ってみてはいかがだろう。
※こちらは、公開日が2015年8月11日の記事となります。更新日は、ページ上部にてご確認いただけます。