秀吉自ら設計した庭が見られる「三宝院」

「三宝院」は総門を入ってすぐ左側に位置する、醍醐寺の中でも本坊的な存在。庭園全体を見渡せる表書院は、華やかな桃山期の雰囲気を残した様式で、長谷川等伯一派や石田幽汀が描いた襖絵を見ることができます。

庭園は秀吉が自ら設計をしたもので、庭園の中心には覇者の証とされた「藤戸石」、鴨川の流れを表した枯山水、三段の滝などが配され、太閤秀吉の栄華をしのばせる造り。角度によりさまざまな表情を楽しんでみてください。

写真提供:醍醐寺
秀吉が開いた「醍醐の花見」を体感できる?

写真提供:醍醐寺
境内を歩けばいたるところに桜の木が植えられており、その本数にまず驚かされるはず。これは、慶長3年(1598)に、秀吉が700本もの桜を植え、贅を尽くした「醍醐の花見」を醍醐寺で行なったことによるもの。参道の桜のトンネルや憲深林苑のかわづ桜、三宝院の大紅しだれなど、世界文化遺産の境内を桜が華やかに彩ります。秀吉が開いた盛大な宴「醍醐の花見」にちなみ、毎年4月の第2日曜日には「豊太閤花見行列」が行われます。
下醍醐にある京都最古の五重塔、弁天堂も忘れずに

写真提供:醍醐寺
広大な醍醐寺は、山下の伽藍を下醍醐、山上を上醍醐と大きく2つに分けられています。総門から女人堂までが下醍醐です。

ここには秀吉の命によって紀州(和歌山県)から移築された金堂(国宝)や、京都府下最古の木造建造物、五重塔(国宝)、朱塗りの弁天堂などがあります。特に紅葉やイチョウに囲まれるように建つ弁天堂は密かな紅葉の名所でもあり、秋に訪れるとまた格別な美しい風景に出合えます。
