* menu
閉じる

観光観光

2015.12.27

世界文化遺産・龍安寺で
「わび・さび」を体感する!

writer : 鈴木ナナ

日本独特の「わび・さび」文化。これを全身で体感できるのが、なんといっても龍安寺です。1994年(平成6年)、ユネスコの世界文化遺産に登録され、国内外から多くの観光客が訪れるようになりました。特にイギリスのエリザベス女王も絶賛したという「石庭」。15個の石をすべて見るのは難しいことで有名です。あなたの目には果たしてどう映るのでしょうか?そしてそれは何を意味しているのでしょう。「わび・さび」を感じながら、たまにはゆったりと物思いにふけってみるのもいいかもしれません。

元は徳大寺家の山荘だった場所に細川勝元が創建した禅寺

足利将軍の管領職にあった細川勝元が、徳大寺家の山荘を譲り受け、1450年「大雲山龍安寺」として創建。その後応仁の乱で焼失したものの、勝元の子・政元によって再興。1499年に「方丈」と共にこの時期、「石庭」も作られたといわれています。ところが1797年、方丈、仏殿などがまたもや火災によって消失。現在の方丈は西源院にあったものを移築したものだそう。二度の火災によって資料なども焼失してしまったため、「石庭」も多くの謎に包まれたまま今に至ります。だからこそ面白い謎解きミステリーと考えて、さまざまな想像を巡らせながら龍安寺を眺めてみるのはいかがでしょう。

世界的にも有名な「龍安寺の石庭」その世界観と隠れた技術

正式には「方丈庭園」と呼び、国の史跡・特別名勝として指定されている枯山水の庭。幅25m、奥行き10m、約75坪の広さがあり、庭といえど草木類は1本もありません。白砂が一面に敷き詰められている上に、大小15個の石が配置されているだけ。究極の禅の世界がそこに描かれているのです。

禅師が作庭したといわれているこの石庭ですが、資料の消失により詳細は諸説あり不明。ただ庭を囲む壁が奥に行くにつれて高さが低くなり、遠近法を用いて広く見せるというテクニックを駆使してあったり、壁は「油土塀」と呼ばれ、赤土に菜種油を混ぜて水による劣化を防ぐなど工夫が凝らされています。よく見てみると土塀が斜めになっているのがわかります。これらのアイデアや技術など見どころが満載。ますます作庭の意図や作者への興味がわいてきますね。

石庭の謎に迫る!「15」の数字

この石庭で何といっても有名なのは「15の石」が使われているにもかかわらず、すべてを見ることは難しいというお話。「15」という数字は、満月を「十五夜」というように、東洋において「完全」を表します。そして禅の美、わびさびの文化は、完全の一歩手前に大切な何かがあると考え、また完全になった瞬間から崩れていく、その儚さに美を見出すものだったのでしょう。悟りを開いた人にはこの庭の石が簡単に15見えてしまうとも。まずはじっくりと庭の石を眺めてみてくださいね。あなたにはいくつ見えますか?

石庭はまた「虎の子渡し」とも「七五三の庭」とも

別名「虎の子渡し」ともいわれるこの庭。虎は3匹の子を産むと、その中の1匹は必ず獰猛(どうもう)な彪(ひょう)となり、他の2匹を食べてしまうのだそうです。一度に1匹ずつしか運べない母虎は、どう渡せばみんな安全なのか……中国の古書『癸辛雜識』に記載された、4匹の虎が川を渡る姿を描写した、「虎の子渡し」の説話。母虎が小虎たちを渡している様子が、この庭に投影されているといわれ、そこらから「虎の子渡し」との言葉が生まれました。

この石庭は東側から「5・2・3・2・3」という5つのまとまりで構成されています。これを5+2、3+2、3と3つのまとまりで見るとする説もあり、足していくと「7・5・3」。奇数は吉数ともいわれ、おめでたい数字。祝儀の「七五三」も皆さんにはなじみ深いのではないでしょうか。他にも「心」の文字を象形した、カシオベアを模した、といくつもの見方がある不思議な庭なのです。

つくばい~最古の椿がここにある「侘助椿」

廊下を進んでいくと、一見、お金の形に見える鉢とその横にひしゃくが。
これは「つくばい」と呼ばれ、茶室に入る前に手や口をゆすぐ手水鉢。徳川光圀から寄進されたと伝えられています。中央の水穴を口という漢字に見立てて、「吾唯足知」(われただたることをしる)と読み、お釈迦様の「知足の心」を表したもの。簡単にいえば「足りていると思える人はどんなに貧しくても心が豊かであり、どん欲な人はいつも心が貧しい」ということで、禅や茶道の精神でもあるそうです。

その先には日本最古の椿といわれている「侘助椿」。桃山時代「侘助」という人が朝鮮から持ち帰ったとか。秀吉はこの椿をとても気に入り、また千利休をはじめ多くの茶人に愛された花でした。お茶はツバキ科の木から作られるそうで、お茶と椿は切っても切れないご縁なのかもしれません。

境内の半分を占めるほどの巨大な池「鏡容池」

徳大寺家の別荘だったころ、お公卿さんがこの池に船を浮かべて歌を詠んだといわれる池泉式回遊庭園。江戸時代、オシドリが仲良く泳いでいることから「オシドリ池」とも呼ばれていました。そして龍安寺といえば紅葉ですが、鏡容池の周りは、梅や桜にはじまりシャクナゲ、雪柳、ツツジ、フジ、睡蓮、紅葉、弁天島での南天など、四季折々の花が目を楽しませてくれます。睡蓮の時期は池一面に広がる蓮の葉と花が見ごたえ満点。

そして中央の弁天島まで足を運んだら、そこからの眺めも楽しんでください。もちろん弁天様にもご挨拶を!

時が止まったような石庭と、表情の変化する庭園。昔は鏡容池のほうが有名で、石庭よりも人気が高かったのだとか。枯山水で心を落ち着かせた後の鏡容池は、目に鮮やかで開放的な気分にさせてくれます。龍安寺を余すところなく堪能した気分になるに違いありません。

スマートポイント

  • バス一日乗車券エリア内
  • きぬかけの道(約2.5キロ)には龍安寺のほかに金閣寺・妙心寺などがあり、それぞれの見どころや違いを楽しむのも面白い

ライターのおすすめ

石庭のイラストが入った手ぬぐいやハンカチ、ゴブラン織りが素敵!

鈴木ナナ

人間観察、食べ歩き、酒場めぐり、映画、旅が好き。魑魅魍魎の住む京都で、毎日よそもんの観光気分。

スポット詳細

関西観光モデルコース

記事検索

ツアー検索

0