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観光観光

2019.12.09

平安時代から京の紅葉の名所!
みかえり阿弥陀も必見の永観堂

writer : けいたろう

秋の行楽といえば、なんといっても紅葉狩り。京都には紅葉スポットが数多くありますが、特に多くの参拝者が訪れるのが永観堂こと禅林寺。見事な紅葉のようすは、平安時代の古今和歌集にも詠まれています。

庭園の東山に寄り添い3000本もの紅葉が植えられている境内には、多宝塔や放生池など絵になる場所がいっぱい。紅葉の時期には寺宝展やライトアップも開催されます。また、永観堂といえば本尊である、後ろを振り向いた姿が特徴的な『みかえり阿弥陀』も有名で、秋の京都でぜひ訪れたいスポットとなっています。

禅林寺と永観律師と永観堂

京都のガイドブックなどで、紅葉の定番として紹介されている永観堂、本当の名前は禅林寺。
禅林寺
空海の弟子である真紹が真言宗の道場として、歌人であった藤原関雄から山荘を譲り受け、仁寿3 (853) 年に開山したのが始まりとなっています。

永観堂という通称は、仏の教えに従い貧しい人々や病に苦しむ人に施しするために、熱心に念仏行道を行った7世住持の永観(ようかん)律師にちなんでいます。

永観堂の本尊である阿弥陀如来立像は、後ろを振り返った珍しい姿で『みかえり阿弥陀』と呼ばれています。
お堂

画像提供:永観堂

ある日、永観律師が行道を行っていたところ、阿弥陀如来が永観を先導するように行道を始めたので、これに驚いて立ち尽くす永観に、振り返り「永観、おそし」と声をかけたエピソードがあり、その時の姿が留められているといわれ、阿弥陀堂に安置されています。

永観堂の見事な紅葉

周囲の東山は古くから紅葉が有名で、永観堂についても、自身の山荘を譲った藤原関雄によって、平安初期の和歌集である古今和歌集に、「おく山の岩がき紅葉散りぬべし、照る日の光、見る時なくて」と読まれています。

古くから「秋はもみじの永観堂」といわれ、TVや雑誌に紹介される秋の紅葉スポットの常連、永観堂。
庭園

画像提供:永観堂

毎年多くの観光客が訪れる境内には約3000本もの楓が植えられており、境内はどこも絵になるのですが、特に美しいのが庭園中央の放生池(ほうじょういけ)。晴れた日には、水面に紅葉が映る、逆さ紅葉が見事。池中央に架かる弁天島へと続く橋を含め、極楽のような光景となります。
放生池

画像提供:永観堂

境内に入ってすぐの広場にある夢庵という供待所から眺めると、小窓により切り取られた放生池と弁天島の景色が楽しめます。
窓からの眺め
また多宝塔付近には、藤原関雄の歌にも詠まれた、急斜面に生える岩垣もみじがあり、永観堂七不思議の一つに数えられています。
岩垣もみじ

永観堂の夜はライトアップ

紅葉スポットとして有名な永観堂では、紅葉シーズンには夜間のライトアップを実施。
ライトアップ

画像提供:永観堂

現在、京都では紅葉のライトアップが一般的になってきていますが、永観堂はその先駆け的存在で、すっかり秋の風物詩となっています。

昼間には、太陽の光に照らされて美しかった紅葉が、夜になってライトの光で照らされると、雅楽の調べが響く境内は幻想的な雰囲気に包まれます。
水面の紅葉

画像提供:永観堂

ライトアップは、昼間と同様に放生池が美しく照らし出されますが、諸堂の後ろにそびえる多宝塔もライトアップされ、光の中に浮かび上がります。
多宝塔

画像提供:永観堂

紅葉以外も見どころがいっぱいの永観堂

永観堂といえば紅葉というイメージがありますが、ほかにも見るべきものがたくさん。

代表となるのが永観堂に所蔵された多くの寺宝群。永観堂は、みかえり阿弥陀のほかに、2つの国宝と数多くの重要文化財を所蔵。秋の紅葉時期には寺宝展が開催されています。
永観堂入口
また永観堂で巡ってみたいのが永観堂七不思議。すでに紹介した、藤原関雄の岩垣もみじに加えて代表的なのが、山の斜面の開山堂へと続く臥龍廊(がりゅうろう)。山の起伏に沿って曲がった廊下は、まるで龍のように見えることから、その名が付きました。
曲がる廊下階段
ほかにも孔雀の襖絵のある古方丈の欄間に描かれた30羽の雀の内、あまりに見事だった雀1羽が飛び去ってしまい29羽だけとなっている抜け雀。
襖絵
永観律師が貧しい人のために植え、今も残る悲田梅などがあります。
悲田梅
永観堂は、諸堂をつなぐ濡れ縁の廊下や庭園が美しく、ゆっくり巡りたくなります。
美しい庭園
たくさんの樹々

多宝塔へ向かい、みかえり茶屋でゆっくり休憩

永観堂を訪れたなら多宝塔へと向かうのもオススメ。
多宝塔へ
永観堂の多宝塔は、下から見上げるだけでなく、すぐ近くまで行くことが可能です。途中、岩垣もみじが生える急な坂が続きますが、多宝塔の下からは、京都の街並みが一望できます。
塔からの眺め
高いビルの少ない京都の貴重なビュースポットとなっています。

永観堂で紅葉、たくさんの寺宝を見て、多宝塔にも登ったとなると、気が付くと心地よい疲労感。そうなると欲しいのが甘い物。永観堂では、方丈池を臨むベストスポットに休憩処「みかえり茶屋」があります。
みかえり茶屋
真っ赤な緋毛氈と野点傘、それに負けないくらいに色づいた紅葉を眺めながらお茶をいただけば、京都らしさをたっぷり満喫できます。
お団子

※こちらは、公開日が2017年11月28日の記事となります。更新日は、ページ上部にてご確認いただけます。

スマートポイント

  • 紅葉スポットとしてとくに有名な永観堂は、もちろん青もみじも見事。庭園をゆったりした気分で散策するなら初夏に訪れるのもオススメです。
  • 永観堂のある東山地区は京都でも屈指の紅葉の名所で、周辺には南禅寺や哲学の道など紅葉スポットもいっぱい。東山地区は土地が西側に向いているので、紅葉狩りは太陽の光が正面から受ける午後も楽しめます。
  • 永観堂七不思議は紹介した4つに加え、空海が火除けの願を掛け戦火にも焼け残った火除けの阿弥陀如来。法具の三鈷杵のように三つ又の三鈷の松。木魚を叩くような鳴き声の木魚蛙の3つで七不思議となります。

ライターのおすすめ

みかえり阿弥陀は、正面からの拝観に加え、まさに見返られた位置から拝観できます。後ろを気遣う阿弥陀如来の優しいほほえみは必見です。

けいたろう

大阪在住のフードアナリスト。足を使って関西中の美味しい食べ物情報を探し出し配信します。お楽しみに!

INFORMATION最新情報は、各施設の公式ウェブサイト等でご確認ください。

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