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観光観光

2016.06.14

桜舞い散る季節の京都三奇祭
今宮神社やすらい祭で疫病鎮静

writer : けいたろう

京都三奇祭
京都は、言わずと知れた歴史と伝統のある都市で、1年中どこかで祭が執り行われていると言われています。そんな京都の祭で特に有名なのが、葵祭・祇園祭・時代祭の京都三大祭。しかし、それとは別に京都三奇祭と呼ばれる祭が存在します。鞍馬の火祭、太秦の牛祭の2つとあわせて京都三奇祭と呼ばれているのが、今回紹介するやすらい祭で、毎年4月第2日曜に斎行されます。

やすらい祭と今宮神社

京都三奇祭の一つ、やすらい祭が執り行われるのは、京都市の中心部から離れた紫野の地にある今宮神社。平安時代に京都で疫病が蔓延した際に、悪疫鎮静を祈って、一条天皇の手により、正暦5(994)年に創祀された神社です。
今宮神社
この今宮神社では、毎年4月の第2日曜日に、やすらい祭が執り行われます。平安時代は、医療に関する考えが今とは大きく異なり、桜の花が舞い散る頃、花の精にあおられて、陽気好きの疫神がいたずらをし、人々に病気をもたらすと考えられていました。

そこで傘を生花で飾り、傘を中心に笛や太鼓を鳴らし、行列が街中を練り歩きながら大鬼はやすらい踊を踊って、疫神の興味を誘い、傘の中へ招き入れる。
やすらい祭傘招き
その疫神の宿った傘を今宮神社の摂社である疫社へと鎮め、一年の無病息災を願ったのが、やすらい祭です。

やすらい祭の練り衆

やすらい祭では疫神を花傘に誘い込む行列を、練り衆と呼びますが、囃子方、音頭取りとともに練り歩き、独特の舞を踊るのは、何と鬼。また、小さな鬼も行列の中にいます。やすらい祭が奇祭と呼ばれる理由は、ここにあります。
やすらい祭り練り歩く
赤と黒の長い髪に赤地の打掛と白袴という異様な姿の鬼が、太鼓と摺鉦(すりがね)を鳴らし、やすらい歌が唱われる中を、髪と服の袖と裾を振り乱しながら、踊りそして練り歩く様子は、なるほど奇祭という雰囲気。
やすらい祭り踊りと練り

やすらい祭の行程

やすらい祭の行列は正午に光念寺を出発し、そこここで踊りながら紫野の街々を練り歩き、今宮神社を目指します。その際、まっすぐ今宮神社を目指すのではなく、事前に祭礼へ御神酒を納めた家の軒先に張られたお札を目印に、氏子の家々を巡り、門の前で門付けの踊りを舞います。
やすらい祭門付け
やすらい祭お神酒
門付けを行う家の玄関まで来ると、初めに子鬼が挨拶を行い、大鬼が太鼓と摺鉦を鳴らしながら、踊り始めます。
やすらい祭子鬼
鳴り物で始まった踊りは、徐々に激しくなり、クライマックスには大鬼は体を捻じりながら大きく飛び上がります。
やすらい祭大鬼
回転ジャンプに合わせて、大きく揺れる長い髪と紅白の衣装は、ダイナミックで色鮮やか。粛々と行われる一般的な日本の祭とは一線を画します。
やすらい祭ジャンプ
やすらい祭ダイナミックなジャンプ
門付けをしつつ紫野の街を2時間ほど掛けて練り歩き、観客でごった返す今宮神社へ辿り着いた練り衆は、やすらい踊りを奉納し、花傘の中に憑った疫神を境内摂社の疫社へと鎮め、今宮神社を後にし、再び光念寺を目指します。
やすらい祭奉納

やすらい祭の花傘

やすらい祭の象徴で練り衆の中心となる花傘は、実は中に入ることが可能。傘に入ると、厄落としと無病息災のご利益があるとされており、氏子はもちろん、一般観光客でも入れます。
花傘
行列の傘に頭を入れるのは、地元住民でもちょっと遠慮しがちですが、一年に一回だけの機会を逃すまいと傘に入る人たちみんなが笑顔になっているのが特徴的。
傘に入る
実際に入ってみると、確かに何となく照れくさくて、思わず笑みがこぼれます。一説では笑顔は体の免疫効果が高まるとも言われていますが、その点で考えると確かに効果はあるのかもしれません。

祭において、観客は行列をただ見送ることが多いのですが、やすらい祭は地域の人たちと一緒になって傘に入り、共に健やかな年を願う祭といえます。。行列のあとについて歩くこともできます。奇祭というと、おどろおどろしい印象があり、一見すると奇妙な風習に見えますが、実際に祭に触れてみると、かなりイメージが異なります。

やすらい祭の本当の主役

やすらい祭は、京都三奇祭ということもあり、今宮神社の祭として、紹介されることが多いですが、祭の主役は、あくまでも地域住民の氏子の方々。

お囃子の音が近付いてくると、みんな家から出てきて、世間話をしながら練り衆の到着を待ち構えています。そして、花傘が到着すると、鬼の舞を見、傘に頭を差し入れ、また世間話をしながら、行列を見送ります。
行列見送る
世間話の内容は「もう傘来た?」、「傘入った?」といった内容に加え、「今年の鬼は○○さんちやで」、「○○さんちの子が、今年は笛を吹くらしいで」といった、子どもの成長の確認の話が多いのが特徴的。

地域住民は祭を愛し積極的に参加し、祭と町が濃密に絡み合っているのが、よくわかります。小さな子は鬼を見て怖がって泣き、少し成長すると、憧れの目で鬼を見ていたかと思うと、やがて練り衆に加わる。その繰り返しが何度も行われ、やすらい祭は、1000年近く続いてきました。
やすらい祭1000年

スマートポイント

  • 紹介した練り衆は上野やすらいの練り衆ですが、他にも練り衆が存在、川上やすらいという練り衆も今宮神社に疫を鎮め踊りを奉納。2つの練り衆の衣装、踊り、歌の違いを楽しむのも、やすらい祭の楽しみ方の一つです。
  • 鬼の踊りをじっくり撮影したいという方は、今宮神社を抜けた、祭の後半戦がオススメ。また2時間掛けて光念寺へと戻り、カメラマンの数も減るので、あせることなく撮影できます。
  • 今宮神社では厄除けの人形(ひとがた)の授与が受けられます。胸を撫で、息を吹きかけた人形を拝殿に納め、巫女さんのご祈祷を受け、無病息災のご祈願をします。人形には厄を除けると言われるお札も入っています。

ライターのおすすめ

今宮神社といえば、参道のあぶり餅も有名。千年以上の歴史のある一文字屋和輔では、明治時代の、やすらい祭が描かれた、この日限定の屏風が出たり、お祭り仕様。あぶり餅を食べつつ練り衆を眺めることも可能です。

けいたろう

大阪在住のフードアナリスト。足を使って関西中の美味しい食べ物情報を探し出し配信します。お楽しみに!

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