四季を通して鳴く鈴虫
山門を入ると本堂、さらに境内を進むと、約6000匹の鈴虫が飼育されている書院があります。秋に鳴く鈴虫の音色を聞いて開眼した先々代の住職が、寺を訪れる人がいつでも鈴虫の音色を聞けるようにと研究を重ね、今日のように一年中鳴き続けるようになったそうです。
約6000匹の鈴虫の音色は清らかで、心が和みます。
鈴虫説法で自分の心と向き合う
鈴虫が鳴く座敷で聞く、住職の「鈴虫説法」が人気です。禅の教えである「茶礼」に基づき、お茶とお茶菓子も用意されていて、ほっとくつろぐことができます。堅苦しい雰囲気はありません。禅の教えや日々の心の持ち方などについて、たびたび笑いが起こるわかりやすくて楽しい説法は、あたたかくて心に響きます。
ひとつだけ願いをかなえてくださるお地蔵さま
説法を聞き、境内の美しい庭園を散策したら、山門横に立っておられる「幸福地蔵菩薩」にお参りしましょう。どんな願いも、ひとつだけかなえてくださるお地蔵さまは、おだやかな優しいお顔です。
(写真提供:鈴虫寺)
鈴虫寺の幸福地蔵菩薩は、日本で唯一、わらじをはいておられることでも有名です。それはお地蔵さま自ら、歩いてお参りした人のところまで、願いをかなえに来てくださるから。わざわざ救いの手を差し伸べに来てくださるところが、すごいですよね。
(写真提供:鈴虫寺)
願いごとはひとつだけ。お願いをする前に、必ず住所と名前を心の中で言うことも忘れてはいけません。
「幸福御守」で幸福を招く
(写真提供:鈴虫寺)
幸福を招く「幸福御守」(300円)。中に幸福地蔵菩薩のお姿が入っていて、お地蔵さまがいつもそばで守ってくださるお守りです。幸福地蔵にお参りする時には、お守りを両手にはさんで願い事をします。家族や友達の分もお土産にしたくなりますね。
(写真提供:鈴虫寺)
松尾山麓の自然を感じられる竹林や楓などに囲まれた境内からは、京都市内を一望することができます。帰り道には、自分にとって大切なものが見えたような、さわやかな気持ちになれそうです。