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観光観光

2016.09.09

東京の世界遺産を訪ねよう!
上野・国立西洋美術館

writer : のもとみほ

外観前庭

©国立西洋美術館

上野地域の美術館の中で駅に最も近い「国立西洋美術館」。2016年7月17日、東京で初の世界文化遺産に登録されました。国立西洋美術館は戦後、日仏国交回復、関係改善の象徴として設立。その名の通り西洋の美術作品を専門とする美術館で、中世末期から20世紀初頭にかけての西洋絵画と、ロダンを中心とするフランス近代彫刻が本館、新館、前庭で年間を通じて展示されています。

そもそもどうして世界遺産に選ばれたの?

国立西洋美術館は「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―」の一つとして登録されました。ル・コルビュジエの建築作品の内、フランスを中心とする7か国 17の建築が対象で、大陸をまたぐ初の世界遺産となりました。国立西洋美術館は日本で唯一かつ東アジアで唯一のル・コルビュジエ作品です。
外観正面

©国立西洋美術館

ル・コルビュジエ作品の特徴

ル・コルビュジエは、合理的、機能的で明晰なデザイン原理を追究し、20世紀の建築、都市計画に大きな影響を与えました。「近代建築の5つの要点<ピロティ・屋上庭園・自由な平面・自由なファザード・横長の窓>」を提唱し、近代建築の3巨匠に数えられます。1959年に設立した国立西洋美術館は、ル・コルビュジエ後期の作品にあたります。
外観右側

©国立西洋美術館

円柱が支える美しい造形「ピロティ」

外観は、並んだ円柱の上に直方体を乗せたような構造です。「ピロティ」というル・コルビュジエ作品の特徴の一つで、現在はガラスで仕切られた1階スペースも建築当初は外空間になっていたそうです。建物を支える多くの円柱は木型にコンクリートを流し込んで作ったため、よく見ると美しい木目が浮き出ています。
外観左側

©国立西洋美術館

吹き抜けの19世紀ホール

本館内部へ進む最初の部屋は19世紀ホール。吹き抜けの天井近くには三角形の明り取りの窓が、自然光を優しく取り入れています。ロダンの彫像を鑑賞したら、緩いスロープを折り返しながら、今観た1階を眺め、2階を垣間見ながらゆっくりと2階へ昇れます。
19世紀ホール

©国立西洋美術館

「無限成長美術館」

ル・コルビュジエは外へと螺旋状に空間を増やしていける「無限成長美術館」を構想していました。実際の増築の際は構想通りになりませんでしたが、開放的で複雑な空間構築はル・コルビュジエの見事な空間演出力の現れです。
本館展示室

©国立西洋美術館

人間と調和する「モデュロール」

2階展示室の内側、天井高が低くなっている部分は、自然光を取り入れる照明設備として設計されたもの(現在は蛍光灯を使用)。この高さをはじめ館内の設計には、人間を寸法の基準にした独自の尺度「モデュロール」が使われています。中3階の現在は使われていない細い階段もこの尺度で人ひとりに最適な幅で設計したものです。
2階展示室

©国立西洋美術館

美術館の外側にもあった鑑賞ポイント

美術館前にある東京文化会館は、コルビュジエの弟子で、本館の実施設計に携わった前川國男の作品です。前川は師に敬意を表し、会館の窓ガラスに前庭の石畳と同じ意匠を施しました。コルビュジエは美術館をはじめホールなどの文化施設も構想しており、前川の文化会館は師の思いを実現したものとなりました。

スマートポイント

  • 前庭やミュージアムショップ、カフェすいれんは観覧券がなくても入れます。美術館に行きなれない人は覗いてみるだけでも大丈夫。常設展は一般430円と気軽に入れます。さらに毎月第2、第4土曜日、文化の日は無料観覧日で常設展のみ無料で入れます。
  • さらに詳しく知りたい方はボランティアによる館内ツアーを利用しましょう。ル・コルビュジエ設計の本館を解説してくれる建築ツアーや、常設展示作品の解説をしてくれる美術トークが定期的に開かれています。(建築ツアーは事前予約制。HP:http://www.nmwa.go.jp/jp/events/talkandtour.html
  • 国立西洋美術館の常設展示は基本的に撮影が許可されています。(当面の間無料観覧日における常設展示室での写真、動画等の撮影は禁止です。)お気に入りの作品が見つかったら、カメラに収めることができます。ただしフラッシュ・三脚は使用できません。また、ほかの鑑賞者の方の妨げにならないようマナーは守りましょう。

ライターのおすすめ

美術館それぞれの独自性は常設展示、そして建物そのものにも現れていると思います。今回ご紹介しきれなかったポイント、皆様自身が見つける面白さもたくさんあります。訪れる際は、美術館そのものの面白さも鑑賞してみてください。

のもとみほ

休日にたまにふらりと一人旅に出て、その先で街の文化に触れるのが好き。
飲食店勤務が長いので、ちょっとそこもうるさいです。最近は和物に興味が強く、お茶や着物に食指が動きます。

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