* * menu
閉じる

沖縄おもしろ情報沖縄おもしろ情報

2019.09.26

文化に触れ、歴史を知る
沖縄県立博物館・美術館

writer : 長嶺陽子

ゆいレールおもろまち駅から徒歩約10分とアクセスしやすい、沖縄県立博物館・美術館。
琉球王朝時代の城(グスク)の城壁をイメージした独特な外観が印象的な建物です。
外観
2007年にオープンしたこの施設は、自然や歴史、民俗、美術工芸品などを展示する博物館としての機能と、沖縄出身の作家の作品や沖縄にゆかりのある作家の作品を中心に展示する美術館の機能、両方を合わせ持っています。
博物館の常設展では、先史時代から歴史を追って近代、そして戦後まで、沖縄の自然と歴史を紹介する総合展示と、自然史、考古、美術工芸、歴史、民俗に分かれた部門展示があり、沖縄の歴史と文化を、時間を旅するような感覚で知ることができます。
首里城などの観光に行く前に、この常設展示を見ておくと、興味もおもしろさもより深まるはずですよ。

亜熱帯の島ならではの歴史を体感

博物館の展示スペースは、沖縄県立博物館・美術館のエントランスを入って左側の奥のほう。沖縄の美しい海と珊瑚礁をイメージさせる入口の奥に広がっています。
展示スペース
エントランス
大小多くの島々からなる島しょ県の沖縄。まずは、その亜熱帯の自然の特徴や、地形、生き物の特徴が映像や模型、PC画像などさまざまな形で体感できるような仕組みになっています。
自然の暮らし
さあ、沖縄の歴史をたどる旅のスタートです。
博物館内

見どころを教えてくれるボランティアガイド

先史時代から、順路を追って見ていくと、「貝塚のムラから琉球王国へ」のエリアへ。
沖縄各地に次第に有力者が現われ、いくつもの戦いを経て琉球が国家として統一されていく……そうした、日本の歴史の流れとは違う「琉球王国」の歴史と文化はなかなか興味深いもの。
そして、博物館ボランティアの方による展示解説ガイドは、その理解をポイントごとにさらに深めてくれます。
ボランティアガイドの開催は水・金・日曜日の14時から17時30分の間。希望する展示物の周辺で待機しているボランティアスタッフが、随時対応してくれます。説明時間は5分~10分程度。
ガイドの田場勝子さん
例えばこの日、琉球王国の成り立ちを説明してくれたのは、ガイドの田場勝子さん。
「沖縄南部のハーフマラソンの名前にもなっていて、沖縄県外の人にも馴染みのある尚巴志(しょうはし)は、初めて琉球を統一した勇ましい王様だったんですよ」と、沖縄の歴史初心者にも分かりやすく話してくれました。

本物の「万国津梁の鐘」

そして、この博物館の見所のひとつとなっているのは、続いての「王国の繁栄」エリアにある「万国津梁の鐘」とも呼ばれ、琉球の歴史を語る時に必ずといっていいほど登場する「旧首里城正殿鐘」。そして、10分の1スケールで再現されている琉球の大交易時代に活躍した「進貢船」の模型です。
万国津梁の鐘
1458年に造られたといわれる「万国津梁の鐘」は、実は、ここにあるものが、国指定重要文化財の本物なのです。首里城内にはレプリカが展示されています。
この鐘をよく見ると……
戦時中に被弾した跡
下の部分には戦時中に被弾した跡がくっきりと残っています。
「こういう細部を見ることで、沖縄の歴史の歩みを実感してもらえたら」と話してくれたのは、このエリアをガイドしてくれたボランティアガイドの島袋美智子さん。
ボランティアガイドの島袋美智子さん

琉球王国から沖縄県へ

さらに、エリアは「薩摩の琉球支配と王国」「王国の衰亡」と琉球王朝時代の終焉に向けて展開していきます。
そして、沖縄県となった近代から、戦争中のようす、戦後の「アメリカ世(ゆ)」と呼ばれた米軍統治時代など、数々の資料が当時の沖縄の人々の文化と暮らしを彷彿とさせます。
ボランティアガイドの末吉弘勝さん
王国の衰退期からペリー来航時代などを説明してくれた、ボランティアガイドの末吉弘勝さん。
ボランティアガイドの源河朝福さん
戦中、戦後の話をご自身の体験を交えて話してくださったボランティアガイドの源河朝福さん。
ガイドは基本的に地元の年配の方が多くいらっしゃるので、体験に沿った話や、地元の人だからこそ知る詳しい歴史を生の声で聞くことができました。

手にとって体験できる場所も

ガイドさんのお話を聞きながら、博物館の常設展示をじっくりと見ていくと、資料を目で見るだけ、文章を読むだけでは感じられないような、沖縄の歴史の「リアル」を感じられたような気がします。
歴史の流れに沿った総合展示はもちろん、自然史部門、考古部門、美術工芸部門、歴史部門、民俗部門とそれぞれの展示も充実しているので、「時間がいくらあっても足りない~」と思うほど。
沖縄観光中、天気に恵まれなかった日は、1日ゆっくり博物館で過ごしてみるのも手かもしれないですよ。そうしたらきっと沖縄ツウの「歴女」(「歴男」?)になれるはず。
琉球衣裳の展示
ちなみに、博物館のエントランス手前にある「ふれあい体験室」は、笠やカゴなどの民具や楽器、琉球衣裳などを実際に手にとって、身につけたり、弾いたりできる場所。無料で利用できて、家族で楽しめます。
沖縄の文化と歴史をいろんな角度から掘り下げることができる沖縄県立博物館・美術館。自分自身の五感で「琉球~沖縄」を体感してみてください。
民具の展示

※こちらは、公開日が2016年1月9日の記事となります。更新日は、ページ上部にてご確認いただけます。

スマートポイント

  • 博物館の常設展示展は大人530円。ゆいレールのフリー乗車券があれば割引料金(420円)になります
  • 水・金・日曜日のボランティアガイドの他、毎月一回不定期の土曜日には博物館バックヤードツアーも無料で行われていますので問い合わせを
  • 画展も随時開催されているので、常設展と合わせて見るのもおすすめ

ライターのおすすめ

博物館常設展はとにかく時間をかけてじっくり見るだけのボリュームがあります。丁寧に見ていくと、いろいろな発見がありますよ

長嶺陽子

東京の出版社を経て沖縄へ移住し10年。那覇市久茂地にて夫とともに泡盛居酒屋「カラカラとちぶぐゎ~」を営む。

INFORMATION最新情報は、各施設の公式ウェブサイト等でご確認ください。

JALで行く!国内ツアーは格安旅行のJ-TRIP

  • Facebookロゴ
  • Twitterロゴ
  • LINEロゴ
  • Pinterestロゴ
  • リンクをコピーする
  • この記事をシェアする
  • Facebookロゴ
  • Twitterロゴ
  • LINEロゴ
  • Pinterestロゴ
  • リンクをコピーする

沖縄観光モデルコース

記事検索

ツアー検索