今西家書院は、1950年に重要文化財に指定された、奈良・ならまちにある書院造の邸宅。予約なしで見学ができ、喫茶の利用も可能です。ゆっくり滞在して建物や庭の趣を楽しむことができます。
関西おもしろ情報
2017.06.10
室町時代初期の書院造
重要文化財の今西家書院
writer : 磯本歌見
元は興福寺坊官の邸宅
今西家書院は、もとは興福寺大乗院家坊官の福智院氏の居宅を、1924年、今西家が譲り受けました。1937年、京都の二条陣屋、大阪の吉村邸と共に、民間所有の国宝に指定され、その後、1950年に重要文化財となりました。
邸宅は見どころいっぱい
書院は上段の間として、身分の高い方の接客や謁見、会議に使われていました。当時は板敷の一間だったところを、江戸時代に床の間を造り、畳を敷いて二間になりました。鴨居ははめ込み式で、鴨居と敷居を外すと元の板の間の姿に戻せるようになっています。また一本の敷居に2枚の障子がはまっている子持ち障子(猫間障子)は、開けても閉めても一枚の大きな障子に見えます。壁は和紙を幾重にも重ねた貼り壁で、夏は湿気を吸収し、冬は湿気を放出して、湿度を調整しています。その他、蔀戸や入母屋造軒唐破風や檜皮葺き屋根など、室町時代の書院造りを今に伝える貴重な建築様式を見ることができます。
玄関や茶室にも注目
今西家書院の式台付き玄関は、あたかも舟底をみるような天井が特徴です。また、江戸時代作られた茶室の天井は杉の網代編みで、龍が描かれています。
喫茶もできるのがうれしい
入館された方は喫茶の利用もできます。コーヒー、柚子ジュース、かりんジュース(各300円)などの飲み物のほかに、季節の和菓子とお抹茶や、今西家書院を管理している清酒春鹿醸造元「春鹿」の酒粕アイスクリーム(650円)などの甘味もあります。また予約のみで書院御膳(2300円、平日2組・土日1組)の昼食もあります。
受付部分には、樹齢870年春日杉の衝立があり、お土産用に酒袋で作ったランチョンマットやコースター、エプロンなどを置いています。
展示会やイベントもいろいろ開催されています。定例の春鹿「酒蔵まつり」共催コンサートや、12月に開催される笙と笛の演奏会のほかにも各種催しがありますので、公式ウェブサイトで詳細をご確認ください。
スマートポイント
- JAFカードやバスフリー乗車券提示の方、70代以上の方など、入館料の50円割引がある。
- 土日は貸切のイベントなどで見学不可の時があるのでHPで確認してからたずねよう。
ライターのおすすめ
スタッフの方が案内してくれるので、どこが見どころかよくわかっていいですね。時間に余裕があれば、室町時代の建物でしばしティータームをするのもゆったりとした気分になれるのでは。
磯本歌見
関西最西端・忠臣蔵の故郷「赤穂」に住みながら、フットワークの軽さを活かして京阪神・奈良まで取材へ。仏像ガールでご朱印女子。
INFORMATION
スポット名 | 今西家書院 |
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住所 | 奈良県奈良市福智院町24-3 |
ジャンル | 観光 |
電話番号 | 0742-23-2256 |
料金 | 見学料350円 |
営業時間 | 午前10時〜午後4時(受付は午後3時30分まで) |
定休日 | 月曜日、夏期・冬期イベント開催時 |
駐車場 | なし |
備考 | HP : http://www.harushika.com/study/ |