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グルメグルメ

2016.01.18

「道頓堀 今井」で食べる
大阪名物、関西風きつねうどん

writer : 松田きこ


賑やかな看板の飲食店が建ち並ぶ道頓堀。その中でうどんの名店「道頓堀 今井」は風情ある店構えを残している。戦後すぐの1946(昭和21)年創業で、薄味のいわゆる「関西風うどん」を味わうならここ、と評される関西の代表店の一つだ。上品な薄味の中にコクと旨味がしっかりと感じられる今井のダシは、北海道産の天然昆布に、九州産のさば節とうるめ節を使う。作り置きはせず、新鮮な味を提供し続け、「だしの今井」と言われるまでになった。そうして丁寧に作られたうどんダシに、ふっくら甘く煮たお揚げがのったきつねうどんを食べずして、大阪グルメは語れない。

大阪名物、汁まで飲み干したいきつねうどん


今井の看板メニューがきつねうどん(756円)だ。近年流行っている生醤油などをかけて麺そのものを味わう「ツルツル、シコシコ」とした食感の固めの讃岐うどんに比べて、麺、ダシ、具材とのハーモニーを楽しむのが特徴だ。麺はやわらかめでダシがうどんによく「しゅむ」(染みる)ように作られている。上品な薄味のダシに、お揚げを噛めば甘さが口の中にじゅわっと広がり、まさに三位一体が生み出すおいしさ。そのやさしい味に、汁まで飲み干したくなる。

シンプルな親子丼に卵黄をトッピングした人気の一品


きつねうどんと並ぶ人気メニューが親子丼(1,296円)。うどんダシと同じ昆布ダシを使い、醤油をきかせたちょっぴり辛めの味付けだ。上にのせられた卵黄をくずし、とろとろの卵を全体にからめる。細長く切った柔らかな鶏肉に、しゃきしゃきとした食感のネギ、具材はこの3つだけと、いたってシンプル。その飽きのこないおいしさに、これを目当てに通う長年のファンがいるというのもうなずける。

明るく落ち着ける雰囲気の和の店内



客席は1~4階まで、テーブル席と個室の座敷席がある。どちらも明るく落ち着いた雰囲気だ。平日はビジネスマンや海外からの観光客が訪れ、土日は松竹座などの劇場がある土地柄、観劇の帰りに利用するお客さんが多い。麺や丼の一品メニューのほか、うどん寄せ鍋(4,320円~)や毎月かわるオリジナルそばの、季節そば点心(3,132円)もあるので接待や記念日の利用にもおすすめ。

店の前には、宵待ち柳と句碑


今井の趣ある雰囲気を醸しだしているのが店前に植えられた柳の木だ。創業者の今井寛三氏が恋人たちの待ち合わせ場所にと植え、道頓堀の店の灯がともるのを待つという意味で「宵待ち柳」と名がつけられたという説がある。

玄関脇には岸本水府の「頬かむりの中に日本一の顔」の句碑がある。「河庄(かわしょう)」の紙屋治兵衛を一番の当たり役とした、歌舞伎役者の初代中村雁治郎の姿を詠んだものだ。岸本水府はグリコのキャッチコピー「一粒300メートル」を世に出したコピーライターであり、現在も続く川柳誌「番傘」を主宰し大阪の川柳文化を率いた作家でもあった。

スマートポイント

  • 甘めに煮含めた油揚げにやわらかいうどん、昆布の風味がきいたダシ、三位一体の味が今井のきつねうどん。最後の一滴までダシが飲める上品な味が特徴。
  • テーブル席は、うどんやどんぶりなどの単品をオーダーする地元の人も多く、手軽なランチにぴったり。
  • グループでゆっくり食べたい時は、掘り炬燵式の座敷で、うどん寄せ鍋をつつくのがおすすめ。できれば事前に予約を。

ライターのおすすめ

うどんや鍋がよく知られているが、実はお弁当でも実力を発揮。芝居を観に行く時やちょっとした会合に、品数豊富で見た目も美しい今井のお弁当はおすすめだ。

松田きこ

おいしいものを食べるのも作るのも大好き、お酒はもっと好き。取材の旅先で酒蔵や温泉を訪ねるのが趣味です。

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