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2016.01.21

[宮古島]の魂と伝統を継ぐ
クイチャーフェスティバル

writer : 砂川葉子

宮古島諸島を代表する伝統芸能クイチャー。
クイチャーのクイとは「声」、チャーは「合わす」と言う意味で、男女が円になり、両手を前後左右に振り、拍子に合わせて手を打ち、大地を踏み締め飛び跳ねる動作を繰り返す踊りです。
伝統芸能クイチャー
豊作や豊漁の祈願、雨乞い、あるいは男女の娯楽として、クイチャーは常に人々の生活の中にあり、各集落ごとに踊り継がれてきました。
「クイチャーフェスティバル」は、伝統と創作、二つの世界が見せるクイチャーの世界を心行くまで堪能でき、宮古人の魂を感じさせる芸能イベントです。
「第14回クイチャーフェスティバル2015」は「島ぬ宝、我々たが宝(スマヌタカラ、バンタガタカラ」をテーマに、11月1日に宮古島のカママミネ公園で開催されました。

宮古島の伝統と心を受け継ぐ人々が踊るクイチャー

「漲水のクイチャー」は最も有名なクイチャーで、宮古島の誰もが歌い踊れるといえるかもしれません。
漲水のクイチャー
ですが実は、クイチャーは各集落によって趣が異なり、宮古島の集落の数だけクイチャーがあるのです。クイチャーフェスティバルの伝統の部では、各地区の保存会が一堂に会し、踊り継がれてきたクイチャーが披露されます。
12団体の演舞の中で、私が最もその特有さに驚いたのが池間島のクイチャーでした。
池間島のクイチャー
池間クイチャー保存会が披露した池間島のクイチャーは、男性と女性の二重の円で踊り、男女で踊りが違うのが特徴です。女性らの優雅でゆったりとした流れるようなクイチャーに対して、男性のクイチャーは荒々しく豪快に大地を蹴り上げます。更に踊りの後半では突然と向きを変えると走り出すという、他地域には類を観ない独特な雰囲気が漂うクイチャーでした。
豪快なクイチャー
地域特有のクイチャーの違いを感じられるのも、クイチャーフェスティバルならではです。

クイチャーの新時代、創作クイチャーの世界

創作クイチャーのトップバッターを飾ったのはアトハリ。
トップバッターのアトハリ
祈るように響く母音のみで謡うクイチャーは、まるで讃美歌か島の神事で謡われる神歌のよう。響き渡る歌声に不思議な静寂感、秋風をはらむ衣裳、
神秘的な舞いによって、会場が清められたかのようでした。
そして、クイチャーが元来、豊穣への祈りから生まれたのだと感じさせられるようでした。
小中学生のエイサーグループ
毎年、出演している地元の小中学生のエイサーグループ「男塾 武-Doo」は、会場中を元気いっぱいに飛び跳ねたダイナミックなクイチャーは見事に創作クイチャー部門でアパラギ賞を受賞しました。
宮古島警察署少年補導員&少年柔道・剣道クラブ
もはやクイチャーフェスティバルの名物ともなっているのが、
「宮古島警察署少年補導員&少年柔道・剣道クラブ」。
リアルまもるくんと、柔道と剣道の技を取り入れたクイチャーは、恐らくここでしか見れないはず。
衣裳も振り付けも、音楽もアレンジをされた個性豊かな創作クイチャーは躍動感と島を愛する心が溢れています。

クイチャーだけじゃない!宮古島の芸能が集まる日

クイチャーフェスティバルには、宮古島の各地域地の伝統芸能もここに集います。
伝統芸能の部で披露された川満棒踊り保存会よる「川満の棒踊り」は、島の厄払いから生まれた伝統芸能で市指定無形民俗に指定されています。
川満の棒踊り
与那覇ヨンシー保存会が披露した与那覇のヨンシーは、沖縄本島の国頭に伝わる「国頭サバクイ(クンジャンサバクイ)」が元唄の、下地地区の与那覇に伝わる伝統芸能です。
国頭サバクイ
宮古島では、クイチャーフェスティバルが地域の土着の伝統芸能に再び目が向けられるきっかけになったと感じます。地域の文化発信が、子ども達の地域愛を育んでいるのかもしれません。
伝統の部に12団体、創作の部に11団体、伝統・芸能の部に3団体、小さな保育園児から94歳のお婆ちゃんまで総勢1000名余りが参加してのクイチャーフェスティバル。
宮古島の伝統文化継承の奥深さと意気込みが感じられます。

「温故知新」から始まったクイチャーフェスティバル

「大切な物は身近な所にある」
これは、クイチャーフェスティバルを立ち上げた、宮古島出身のミュージシャン下地暁さんがいい続けてきた言葉です。
先祖代々から続くクイチャーの伝承に危機を感じた下地暁氏は、「大切なものは身近にある」、「温故知新」をコンセプトに2002年にクイチャーフェスティバルを立ち上げました。今年で14回目を迎え、今や宮古島を代表する芸能イベントとなり、2006年には島興し奨励賞、第11回ふるさとイベント大賞奨励賞を受賞するなど、全国の地域活性化の指針になっています。
宮古島の伝統芸能の根幹ともいえるクイチャーが盛り上がることにより、さまざまな現象が宮古島で生まれています。
お客様に説明
今年、市指定の無形民俗である荷川取のクイチャーとうるかのクイチャー、友利のクイチャーを保存継承する3団体の衣裳が、宮古織物事業協同組合
によって制作されたのも、宮古島の先人達の叡智を復活させる取り組みなのです。

クイチャーフェスティバルの醍醐味、みんなが主役の瞬間!

躍動感溢れるクイチャー、踊り手の生き生きとした顔を見ていると、体が自然にうずうずとしてくるものです。
クイチャーフェスティバルは、ただ見るだけではありません。
イベントの中盤とフィナーレで、クイチャー大共演と題して、出演者も観客も一体となってクイチャーを踊ります。みんなでクイチャー
未経験でも、観光客でも関係ありません。クイチャーはとてもシンプルな踊りですし、ちゃんとレクチャーの時間もあります。
老いも若きも、旅人も、みんなで輪になって声を合わせて、手を打ち、足を上げれば、会場の心が一つになっていくのを感じます。
これが、クイチャーの魅力です。
楽しくクイチャー
前里昌吾実行委員長の「みんなが主役となって文化を発信する時代に来たのではないか」との言葉の通り、島に生きる誰もが、島を旅する誰もが、
この瞬間クイチャーを踊ることで、島の伝統と魂が受け継がれていくのでしょう。
宮古島の伝統芸能と魂を感じにクイチャーフェスティバルに来てみませんか?

スマートポイント

  • クイチャーフェスティバルは、毎年11月の第一日曜日に開催される、宮古島の芸能イベントです。
  • クイチャーフェスティバルには、宮古島の伝統芸能が一堂に会し、クイチャーをはじめとし、さまざまな芸能を心ゆくまで堪能できます。
  • クイチャーフェスティバルの発起人、下地暁さんは宮古島出身のミュージシャンで、宮古島大使です。

ライターのおすすめ

宮古島では、運動会などの学校行事、島の神事や祭祀、結婚式なども最後に必ずといっていいほどフィナーレで踊られるクイチャー。それほどなじみ深い踊りでしたが、今回の取材では改めて宮古島の奥深さを感じました。

砂川葉子

岐阜県出身、宮古島諸島のどこかの小さな島に在住。農業と民宿業、島興し業と並行してライター業にも携わる。

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