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観光観光

2016.01.08

[宮古島]波と風と謡う夕べ
幻想的ななりやまあやぐまつり

writer : 砂川葉子

三線の音色は波とともに打ち寄せられ、
風が歌声を運ぶ。
ろうそくがひとつひとつと灯り、
夜のとばりが降りるにつれ、
情感を増す宮古民謡「なりやまあやぐ」。
なりやまあやぐまつり横断幕
宮古民謡の代表曲である「なりやまあやぐ」の心を受け継ぎ、
歌い継ぐために始まった「なりやまあやぐまつり」は、
この謡に魅了され、幻想的なステージに憧れて、
全国から宮古民謡の愛好家が集います。
ゆったりとした旋律と歌声が波音とともに
心地良く心に響きます。

幻想的な海上のステージを夢見て

御神山(うがんやま)が、
箱庭のような小さなビーチを守るように抱くこの場所
イムギャーマリンガーデンが、なりやまあやぐまつりの会場。
ビーチ
この青い海に浮かんでいるかのようなステージが
なりやまやぐ大会魅力の一つ。
海に浮かんでいるようなステージ
そして、日が暮れ始めると一つひとつ灯される手作りの灯篭。
手作りの灯篭
星がまたたき出すころ、闇の中に浮かび上がる幻想的なステージは、
午後の予選を通過した者のみが立つことができる
宮古民謡愛好家の憧れの場所でもあります。
幻想的なステージ
誰もが、この美しいステージに立ちたいと夢を見て、
毎年この地を訪れる人は少なくありません。
宮古民謡の心を受け継ぎ、歌い継ぐために始まった
なりやまあやぐまつりは今年で10回目を迎えた。
今年は、本来の予選と本選にプラスして
これまでの歴代チャンピオンが集う、
グランドチャンピオン大会も合わせて10月10日に行われました。

宮古民謡なりやまあやぐの魅力

「なりやまあやぐ」とは、宮古を代表する民謡の一つです。
古くから歌い続けてきた「なりやまやあやぐ」という民謡の魅力は、
海上の幻想的なステージ以上で、
その奥深さに誰もが心を打たれます。
宮古を代表する民謡
なりやまあやぐは、宮古民謡の入門歌として歌われていますが、
実行委員の松原彦文さんに寄ると、プロの民謡歌手でさえ
「満足に歌えることはない」といわしめるほど奥が深いのです。
特に歌の出だし、表記してしまえば「サー」だけですが、
これを声にした時の低音から高音へとゆっくりと広がる抑揚、
声の響き、その一音に秘められた情感が胸に迫ってくるよう。
なりやまあやぐ発祥の地
今から55年前の1960年、この部落出身の友利實功(ともりじっこう)氏が、
ラジオ番組の素人のど自慢大会で初めて歌ったことで
広く世に出ることになります。
そして近年になって、友利がなりやまあやぐ発祥の地であることが
判明したことがきっかけに「なりやまあやぐ」まつりは始まりました。

なりやまあやぐまつり予選突破を目指して

会場に特設された「なりやまやー」では、
大会参加者達が着付けの準備やちんだみ、練習にと余念がありません。
下里浩一郎さんは、生まれも育ちもここ友利部落。
家には当り前のように三線が床の間にあったが、触ったこともなかったそうです。
地元でなりやまあやぐ大会を見守り続ける中で、
地域の文化を再確認し、今回初参加となりました。
なりやまやー
宮古島に嫁いで10年になる池間早苗さんは3度目の挑戦。
最も好きな宮古民謡「なりやまあやぐ」を好きな人が
こんなにたくさんいることがうれしいと語ってくれました。
海上のステージ
海上のステージに警察官の制服姿で現れ、
会場をどよめかせた砂川駐在所の桃原優作さん。
地元の方との飲み会で酔った勢いでなりやまあやぐまつりの出場を
約束してしまい、3か月猛特訓をしてのエントリー。
残念ながら予選通過はならなかったが、
「来年もまたチャレンジしたい」と笑顔を見せてくれました。

全国各地からなりやまあやぐまつりを目指しす人々

地元からだけでなく、全国各地からこの地を目指す人もいます。
兵庫県から参加の三村晴美さんもそんな一人です。
昨年の宮古島旅行の際に、台風のせいでどこにも行けずにいたところ、
宿のオーナーが退屈をしないようにとご近所の三線の名手を呼んでくれたそうです。
その時に初めて聞いた「なりやまあやぐ」にすっかり魅了され、
すぐに三線を購入し、自宅でYouTubeを見て一心に特訓する日々。
1年後、見事に宿のオーナーとの約束を果たし、
なりやまあやぐまつりへエントリーし、
夢舞台であった本選への出場を果たしました。
宮古島
岐阜県から参加の近藤美佐子さんは、三線を習って10年以上になります。
念願のなりやまあやぐ大会で、見事に予選を突破し本戦に挑みました。
「夜のステージが幻想的だと聞いていたが、
昼間のステージも海が綺麗で、自然を大切にしているのを感じた」
とこのなりやまのステージで謡う喜びを語ってくれました。

受け継ぐ思い、歌い継ぐ子達、なりやまあやぐが未来を紡ぐ

今回私が取材を通して、海上のステージの美しさと、
なりやまあやぐという民謡の奥深さに胸が震えるような感動を味わう中、最も感動したのが、
このイベントを作り上げる人々の姿、「なりやまあやぐ」を中心とした人の営みでした。
イベントを作り上げる人々の姿
なりやまあやぐまつりは、行政主催のイベントでもなく、
なりやまあやぐ発祥の地である友利部落に暮らす人々が
中心となり創り上げているのです。
友利部落の人々を中心に
大会成功を祈願する朝の神事や、「なりやまあやぐ」の奉納、
地域の歴史や文化を子ども達に伝えるための「元島学習会」、
自分たちの伝統を未来に引き継ぐための大人達の姿は、
確実にその思いが受け継がれているのを感じました。
伝統を未来に引き継ぐため
一曲の「なりやまやぐ」という民謡が、
こんなにまでも人の心を魅了し、夢を与え、
受け継がれていく姿が「なりやまあやぐまつり」にはあります。

スマートポイント

  • なりやまあやぐまつりの会場であるイムギャーマリンガーデンは、箱庭のような小さな海で、シュノーケルのポイントでもありますが、公共の海水浴場ではないので、泳ぐと時には十分に注意をしてください
  • イムギャーマリンガーデンの周辺には、友利實功(ともりじっこう)氏の生家や、アマガーなど歴史的なスポットも数多くあり、歴史散策もお勧めです。
  • 宮古民謡「なりやまあやぐ」が、城辺の友利が発祥の地であることがわかったことをきっかけに、「なりやまあやぐまつり」は友利集落の住民によって始まりました。

ライターのおすすめ

すっかりなりやまあやぐまつりのステージに魅了されました。このステージに立ちたいと言う参加者の気持ちが本当によくわかります。そして11月より三線を習い出しています。来年の出場を目指していま~す。

砂川葉子

岐阜県出身、宮古島諸島のどこかの小さな島に在住。農業と民宿業、島興し業と並行してライター業にも携わる。

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