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観光観光

2016.01.13

[宮古島]伝統工芸品センター
心と技でつなぐ宮古上布の世界

writer : 砂川葉子

八重山みんさーや読谷山花織、
沖縄を旅していると、どこかで織りや染めの文化との出合いがあるかと思います。
織りには、その島の人々の歴史や文化、思いがそっと息づいています。
宮古島伝統工芸品センター
宮古島で生まれ、600余年に渡り受け継がれてきた美しい織、宮古上布。
苧麻(ちょま)を育て積み、絣を括り、空よりも海よりも深い藍に染め、
織り、砧で打ち、技と心を人から人へつないで仕立てられる宮古上布。
そんな宮古上布の歴史と技と心に触れられ、人気が高いお土産物のひとつである宮古上布や宮古織の加工製品が購入できるのが、宮古島の上野にある宮古島伝統工芸品センターです。

宮古島市伝統工芸品センターで宮古上布の歴史を知る

宮古島市伝統工芸品センターでは、宮古上布や道具、糸の展示を通して、歴史や製作の工程など詳しく学ぶことができます。
制作工程を学ぶ
宮古上布は、16世紀末、栄河氏真栄(えいがうじしんえい)の妻・稲石(いないし)によって創製されたといわれています。
600年を誇る歴史ある宮古上布には、辛く苦しい時代がありました。
琉球王朝時代には、「人頭税」として宮古上布が貢納されており、織り手は過酷な環境で労働を強いられてきました。また、薩摩藩の侵攻後には「薩摩上布」と呼ばれていた時代もありました。
戦中には組合の建物が軍隊に強制的に取り上げられ、戦後(昭和21年)まで、宮古上布を織ることができない時代もありました。
さまざまな時代の苦しみと悲しみを超えて、宮古上布は今日まで受け継がれてきたのです。

宮古上布の全工程のすべてを島人の手でつなぐ宮古上布

光も風も通す羽根のように広げられた濃紺の宮古上布の着物。
麻織物であるのに絹のような光沢、織り込まれた緻密な紋様、
思わず息を飲み、伸ばしかけた手がウインドウにあたりはたとしました。
いったいなぜ、宮古上布はこんなにまで美しいのでしょうか?
宮古上布
宮古上布は、原材料である苧麻の栽培から始まります。苧麻から繊維を採り、それを人の手で績まれ、一本の糸となり、織り手によって織られ、仕上げから加工まで、この工程のすべてが宮古島の中で行われているのです。
これは、全国的にも非常に稀なことだそうです。
苧麻の栽培
また、宮古上布はこれらの工程が分業体制で行われており、専門の従事者の技と人がつながることで1枚の布に仕立てられるのです。

宮古島市伝統工芸品センターでブーンミ体験

ここ宮古島伝統工芸センターは次世代につなぐための場所でもあります。
ぶーんみ講習
毎週火、水、土曜日は、宮古苧麻積み(ブーンミ)保存会による「ぶーんみ講習」が行われています。ブーとは、苧麻のことで、苧麻を手積み(てうみ)することを島では「ブーンミ」といいます。この日も、市民や観光客がブーンミを体験していました。
講師の下地ヨシさん
講師の下地ヨシさん(83歳)が、細く細く裂いた2本の苧麻の繊維を指で
1本に績んでいくさまは、まるで魔法のようです。
小さな体のヨシさんの指先から績まれる苧麻糸の美しさ、
呼吸をしているかのように紡がれていく一連の動作の美しさ。
そんなヨシさんの指の爪は、糸を紡ぎやすいようにと、斜めにカットされていました。
苧麻糸
ブーンミの従事者の育成が宮古上布の大きな課題でもあるようです。
「まず来てやってみたらいいさあ」と笑うヨシさん。
まず体験してみる、これが文化の伝承のつながる一歩だといいます。

体験工芸村で宮古織と藍染体験で感じる織りの世界

宮古島伝統工芸品センターを運営する宮古織物事業組合は、体験工芸村で織物と染めの体験プログラムも実施しています。
織物
体験工芸村は、宮古島植物園内にあり、宮古島伝統工芸品センターから車で10分ほどの場所ですので、ぜひ足を運んでみてください。
宮古織物工房と藍染め工房では、宮古上布の原料である苧麻糸を使ってのストラップ創りや、綿糸を使った織物体験ができます。
藍染工房では、ハンカチやスカーフの絞り染め体験ができます。
もちろん体験で作った作品は、お土産としてお持ち帰りできます。
体験
ヨシさんのいう通り、まず体験してみる、このことが島の織の文化でぐっと近づくことができます。ブーンミ講習や宮古織体験で、すっかり織りに魅了されて、宮古上布の道を歩むことになった方もいるそうですよ。
宮古島伝統工芸品センターと体験工芸村をセットで観光して、
より深く宮古上布の世界に触れてみてください!

宮古島伝統工芸品センターで出合う一生モノの逸品

宮古島伝統工芸品センターまた伝統工芸村の工房で販売される、宮古上布や宮古織の加工製品はお土産として大変人気があります。
宮古上布のかりゆしウェア
鞄
宮古上布のかりゆしウェアや鞄、名刺入れなどは、
お値段はやはりそれなりにしますが、宮古島の誇りある逸品です。
また、宮古上布の織りの技術を生かし綿糸と麻糸を使って手織りした宮古織の製品は色使いも鮮やかで、お値段も手ごろですよ。
お土産
ちょっとした手ごろなお土産なら、苧麻のお守りはいかがですか?
古代より、麻は邪念を払い身を守り幸せをもたらすといわれています。
私のお気に入りは、宮古織のマスキングテープです。
今年の年賀状は、マスキングテープでデコったりといろいろ使ってます。
100円のお手軽に買えるお土産から高級品まで、
宮古上布の世界に触れ、お土産品に出合えるのも宮古島伝統工芸品センターの楽しさです。

スマートポイント

  • 宮古島伝統工芸品センターでは、宮古上布の歴史を学べるだけでなく、宮古上布や宮古織の製品を購入できます。かりゆしウェアやストラップはお土産としても人気です。
  • 宮古ブーンミ保存会による講習は3月、4月はお休みです。詳しくは、宮古島市生涯教育課☎0980-77-4947にお問い合わせください。
  • 体験工芸村では、宮古織や藍染体験以外にもシーサーづくりや島サバアートなどさまざまな文化体験ができます。

ライターのおすすめ

小さな種から芽生えた命が、人の手により糸となり、1枚の布になる、そんなことに思いを馳せてみると、自分の着ているのも肌に触れるものが土から生まれていることを改めて感じました。

砂川葉子

岐阜県出身、宮古島諸島のどこかの小さな島に在住。農業と民宿業、島興し業と並行してライター業にも携わる。

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