沖縄観光で首里城を訪れる人は多いのですが、
西(いり)のアザナまでしっかり楽しんで帰る人は
半数にも満たないかもしれません。
ここは無料区域内にある見どころの一つで、
首里城で一番のビューポイントなのです。
行くなら夕方、日没の時間帯がオススメ。
東シナ海に沈む夕日が見られます。
首里城の開園時間は季節によって異なるので、
事前に確認してから行きましょう。
手にスタンプを押してもらえば一時外出・再入場も可能。
開園時間によっては日没後、
ライトアップされた城内へ戻ることも可能です。
ちなみに首里城の有料区域に入るなら、
午後のほうがオススメです。
理由は二つ。
午前中は団体旅行の観光バスが多く、落ち着かないこと。
那覇市内に宿泊した団体は
朝一番に首里城へ来るパターンが多いため、
首里城公演の来場者数は午前中がピークなのです。
平日でも駐車場は満車になります。
もう一つは首里城正殿は東を背にして建っているため。
午前中は逆光になって、正殿前で撮る記念写真は
人物が黒くなる残念写真になりがちなのです。
(写真は夕方、順光の首里城正殿)
観光
2015.03.22
首里城一のビューポイント
西(いり)のアザナ
writer : いのうえちず
西のアザナの行き方
正殿・下の御庭方面から来る人は、
首里杜館(すいむいかん)・木曳門(こびきもん)に向かって
左手奥を目指してください。
木曳門から入った人は、正殿に向かって右手へ。
西のアザナって、どんな場所?
アザナとは島言葉で物見台の意味。
首里城には東西にそれぞれアザナがあり、
このうち現在は西のアザナのみ一般開放されています。
西のアザナには、島添アザナという別名もあります。
首里・那覇の言葉では、
お日様が上る東をアガリ、日の入る方角=西をイリといいます。
北はニシ、南はフェー
(地域によってハイ、ハエ、パイなどとも)。
文字通り、西方向に面した物見台が西のアザナで、
ここは標高の高い首里から、
北谷から那覇、豊見城、南風原、太平洋側の与那原までを
グルリと大パノラマで見渡せる場所。
王府時代は那覇港に入る船を見張ったり、
島伝いに烽火(のろし)で
伝えられる信号を見る場所でもありました。
末吉公園や儀保駅方向。
浦添の向こう側が北谷町。牧港の火力発電所も見えます。
ツインタワーマンションなどが並ぶ那覇新都心。
那覇市街地。那覇空港を発着する飛行機もよく見えます。
東海岸側、与那原町方面まで見えます。
これだけ視野が開けた西のアザナに立つと、
首里城の立地が戦略的にいかに重要であったかがよくわかります。
だからこそ、ここに首里城が築かれ、
第二次世界大戦では地下に日本軍の司令部壕が構築されたのです。
西のアザナでトワイライトタイムを楽しむ
晴れた日は慶良間諸島の向こうに、
渡名喜島や久米島が見渡せます。
沖縄で夕日を見るといえばビーチが定番ですが、
日没後の夜景まで楽しめるという点で首里城は隠れた名所。
地元ではデートスポットにもなっています。
とはいえ、夕焼けの素晴らしさはその日の天候と運次第。
台風が来る前日の夕焼けは、信じられないような
ピンク~紅~紫のグラデーションが見られることが多いので、
早めの飛行機で帰ることができなかった場合は
見に行ってみてください。
日没後、眼下に広がる那覇の街に灯りがともり始めたら、
首里城のライトアップも始まります。後ろを振り返ってみると…
ここでしか見えない、ロマンチックな景色が広がります。
ライトアップされると、首里城もまた違った趣。
これを見ないで帰るなんてもったいない!
こうしたトワイライトのひとときを、
沖縄の島言葉では「アコークロー」といいます。
すっかり暗くなってからの首里城は、
龍潭越しに見るとまたステキ。
首里へ遊びに来るなら、
午後からアコークローまでゆっくり楽しんでいってくださいね。

いのうえちず
沖縄に惹かれて2011年移住。沖縄の文化誌『モモト』副編集長。歴史・文化系の記事が得意。
INFORMATION
スポット名 | 首里城公園 |
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住所 | 沖縄県那覇市首里金城町1-2 |
電話番号 | 098-886-2020 |
料金 | 大人820円 / 高校生620円 / 小中学生310円 |
営業時間 | 8時30分~18時(12~3月)、~19時(4~6月、10~11月)、~20時 (7~9月) ※入館券販売締切は閉館時間の30分前 |
定休日 | 7月の第1水曜日とその翌日 |
駐車場 | 大型車/一回960円 小型車/一回320円 大型車26~46台、普通乗用車50~116台の駐車スペース有。 |
備考 | ・車椅子の貸出有り ・点字ガイドブック有 |