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グルメグルメ

2015.11.06

こだわりの焼肉としゃぶしゃぶ
名護のやんばる島豚料理の満味

writer : miya-nee(みやねえ)

やんばる島豚料理
沖縄自動車道の終点・許田ICから車で約15分、沖縄本島北部、名護市内の一角にグルメ派を唸らせる店「満味」がある。この店は、七輪で焼肉を食べられる「やんばる島豚料理」の専門店。
やんばる島豚料理専門店「満味」
知り合いの口コミから耳にしていた店名だが、実際に店に出向くとその人気の秘訣があちこちに隠されていた。最近は差別化のためか「専門店」との言葉をよく見かけるが、この店の一貫したこだわりは、沖縄と豚肉の歴史、そして地元で営業する意義などある種の深い思いから来ている。
「満味」の「やんばる島豚料理」
オーナーの満名匠吾さんが考案したメニューとともに、地元や「やんばる島豚」に対する思いと活動奮闘記を兼ねてやんばる島豚料理の専門店・島豚七輪焼「満味」を紹介していこう。

まずは「やんばる島豚」の説明から!

満名さん
写真は満名さんであり、やんばる島豚ではない。沖縄の琉球在来種、高級ブランド豚の「アグー」といえばご存知の人もいるだろう。他の豚肉と比較すると低カロリーとの特徴があり、この「アグー(雄)」と「黒豚(DB)」のかけ合わせが「やんばる島豚」である。

「黒豚(DB)」は、デュロック(D)の雌とバークシャー(B)の雄を交配した豚。
やんばる島豚
地元の我那覇畜産が特許を取って飼育している貴重な品種であり、カルシウムが豊富な与那国産の化石サンゴ・ヨモギ・海藻・大麦などを食べながら、沖縄本島北部の牧場でのびのびと育った豚。
それが「やんばる島豚」である。

生産環境と餌にこだわること。人間に例えるならセレブのような生活かもしれない。そうか、これは豚肉界のセレブだったのか!もし生まれ変われるのなら、是が非でも「やんばる島豚」になりたいところだ。

名護市で「やんばる島豚料理の専門店」を営業するこだわり

「満味」店内
満名さんは名護市の出身。2003年に店を開業する前、考え抜いたこと。それは当時まだ認知度が低く高価なイメージしかなかった「アグー」の存在を沖縄県民に知ってもらい、どのように価値を伝えていくかだった。

地元にこんなおいしい豚肉がある。そこに地元の飲食店が注目しなかったら何のための飲食業界なんだろうか。やんばるの自然を食で表現しよう!
ならばどう表現しようか。やんばるの独自性を打ち出すために豚に関する勉強をし始め、素材の厳選や仕入れの交渉など地元を生かしたオーナーのこだわりと活動が始まったのである。
「満名」店内カウンター
新たなチャレンジをするにも、既に実績がある商売の二番煎じならロジックが存在するため、ビジネスとしては誰にでもできる。食を通して地域を繋げ、地元の良さと生産者の思いを伝えていく店にしたい。

そんなお店のコンセプトは、沖縄料理と焼肉を融合させること。沖縄は豚を豊かに食べる豚肉文化の島、そこをアピールするためのメニューを次々と考案していった。

地元の人間が自信を持って選んだやんばる(北部)の食材を約8割以上使用し、地元で仕込んだ鮮度の高いやんばる島豚を1番おいしいタイミングで食べてもらいたい。沖縄の豚肉を食べるなら、この店だ!と利用客に選んでもらえる店にするため、現在も日々奮闘が続いている。
「満味」店内座敷

この威力!塩ダレのホルモン盛り合わせ

塩ダレのホルモン盛り合わせ
10種類のホルモン盛りは、レバー、テッポウ(直腸)、ハツ(心臓)、コブクロ(子宮)、豚ちゃん、豚スジ、ハラミ、カシラ、喉軟骨、オッパイ。時期によって種類は異なるが、すべて塩ダレで提供される。
5種類のホルモン盛り
5種盛りの赤身肉は、ネック、バラ肉、肩ロース、ヒレロース、トントロ。肉の特徴に合わせてカットに変化をもたせ、脂質の多いものは平らにスライスし、ヒレなどは立体的にカットすることで中身がロゼに焼き上がる。

焼肉の味付け調味料は、ハーブ塩、黒ごまと塩昆布、自家製の昆布たっぷり醤油ダレの3種類。
豚肉と昆布は相性がよく、相乗効果の旨みが出るそうだ。

そしてテーブルサービス時、肉の部位に合わせてスタッフが食べ方を
説明してくれるので、よりおいしく食べられる方法を伝授してもらうといいだろう。
1品料理のガツ(胃袋)刺し
1品料理のガツ(胃袋)刺しは、胡瓜と一緒に自家製味噌だれにつけて
食べる。そして、島野菜と島ドーフのサラダ(850円)の芸術的な山盛りのセンスと彩り。やんばる畑人(ハルサー)プロジェクトに参加している農家の県産野菜を中心に、生野菜の歯応えやシャキシャキ感を残しながら素材を生かした調理法に工夫を凝らしている。
島野菜と島ドーフのサラダ

コスパは悪いが、炭火にこだわる理由

こだわりの炭火
炭火の遠赤熱とガス火の対流熱。安定したガス火は管理が簡単だが、そこは炭火にこだわっている「満味」。炭火の特性のひとつには遠赤効果が上げられ、肉の旨みを閉じ込めて中身がジューシーに焼き上がる。肉のしずる感がガス火とは圧倒的に違うという満名さん。
炭火で焼かれる肉
ドーム状の放射熱が出る七輪は網の中心が一番熱く、外周にいくにつれて温度が下がるため、肉の特徴に合わせて焼く位置を変えれば火加減をコントロールできる。

炭火のコスパが悪い理由は、炭の管理とエアコンの調整にある。上から来るエアコンの冷気と下から来る七輪の熱と煙が混ざり合い、それをエアコンが吸い上げて再び冷気を吐き出す矛盾。快適な空気と室温を保つためにはエアコンをフル稼働しなければならない。常に火種を入れた状態の炭の管理、そして熱い七輪の上げ下げには時間がかかるのだ。

そんな中で食べる「ネギ豚舌」。実においしいので、注文必須のメニューだろう。
ネギ豚舌

生産者のための「地元の応援団」

20代の人たちに食の技術を受け継ぎ育んでもらいたいと、料理に関する勉強会を開催し、セオリーを学んでもらいながら皆で情報共有していく。自分がおいしいと思った料理を作り、その先に独自で考えたアレンジを出していけたら、お店同士が切磋琢磨していけるんじゃないか。

「今はやる気さえあれば誰でも市場は開けるけど、田舎でやり切るには根気と強い意志が必要。ひとつでも妥協したらいいモノはできないと思うんですよね。あとときどき地元のイベントに出店しますが、イベントだけで終わったらせたくないなと思ってるんです。
せっかく地元のみんなで繋がったならば、その先の未来へと繋げていくのが大切。そう思いながら今新たな構想を考えています。まだ正式には言えないですけどね!笑」
やんばる島豚の炭火焼
沖縄の食文化離れが進む中でどう伝えていくかは重要な課題であり、食を通してオーナー自身が気付かされたこと。長閑なやんばるの土地を熟知した出身者ならではの試行錯誤と今後の展開。生産者のための「地元の応援団」として今後も活動範囲を広げていくのだろう。

『将来的には、やんばる島豚の交配で「攻める豚」を作っていきたい。』

穏やかな口調でそんな熱い思いを語ってくれた満名さんの話からは、やんばる島豚と地元をただただ愛している、そんな思いが伝わってきた。

名護市内にあるやんばる島豚料理の専門店・島豚七輪焼「満味」は、焼肉だけでなく夏場でもしゃぶしゃぶ鍋が食べられ、オーナーの熱い語りを聞くことができる。そんな話を聞きながら沖縄の夜長を過ごしてみるのも醍醐味のひとつかもしれない。
やんばる島豚と地元を愛しているオーナー

スマートポイント

  • やんばる島豚のしゃぶしゃぶも人気メニューのひとつ。夏場でも注文できます。
  • 営業は夜だけですが、週末は満席状態となる「満味」。事前に席予約することをオススメします。
  • オーナーの満名匠吾さんとお話したい方、お気軽にお声かけください。

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事前予約制の特別メニュー「豚の脳みそ」は、牛1頭あたり100gほどしか取れない貴重な部位。気になる人は、電話でご予約ください。

miya-nee(みやねえ)

JTBの元ツアーコンダクター。現在はライターをはじめとして、Web講師、カメラマンなどと多岐にわたる仕事に取組む。

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