季節特集
2019.12.20
真冬に花見。やんばるで
沖縄ならではの桜を満喫
writer : 福田展也
桜前線が南下するの沖縄の緋寒桜(ひかんざくら)
内地の冬山の楽しみは何と言っても白いゲレンデでの
スキーやスノーボード。
この時期の最高気温が20度を超える日さえある沖縄では?というと…、
やっぱり桜の花見でしょう。
沖縄の桜は中国南部から台湾が原産の
緋寒桜(ヒカンザクラ)という品種で、楽しめるのは1月から2月。
ソメイヨシノや山桜などと違って真冬に咲く早咲きの桜なのです。
染井吉野の桜前線は南から北へと上がっていきますが、
この桜の場合、北から南へと逆に下っていくのです。
本島だけでなく八重山など沖縄各地で楽しめる桜ですが、
今回は、本島北部のやんばるに花見に出かけてみました。
インターナショナルな花見を楽しめる名護城公園
人気スポットその一は名護市内にある名護城公園。
ここの特徴はアメリカなどの外国人や小さな子どもを連れた家族、
そしておじいちゃんおばあちゃんが多いところ。
老若男女が肩を寄せ合いながら石段を登り、
桜を眺める姿が微笑ましかったです。
石段を登りきったところには小さな社(やしろ)があって、
みんなが手を合わせていました。
沖縄で花見と言えば、八重岳
そして、人気スポットその二は「桜といえばここ!」の八重岳です。
その数7000本と言われるだけあって、
桜並木がズズズーっと続いています。
こちらは車の往来があるせいか、20~40代の姿が目立ちます。
日頃の運動不足をこの機会に解消しようという人も少なくないのか、
イキイキした表情でウォーキング花見を楽しんでいる人がいっぱいです。
なかにはほら、職場の仲間どうしで花見にやってきて、
こんな感じで思いっきりエンジョイしている女性グループも
珍しくありません。
八重岳の帰り道は、とれたて野菜や、
地域のお美味しいものと触れるのも花見の楽しみの一つです。
ここ、花まつりでは沖縄名物の田芋の天ぷら、アオサ、
サトウキビジュースに加え、自家菜園で採れた野菜を販売しています。
違いを楽しむ
さて、沖縄での桜に関しては咲く時期だけでなく、
内地とは違うところがいくつかあります。
一つ目は、花の散り方。
ソメイヨシノの場合、小さな花びらが風に揺られてはらりはらりと
舞うシーンがちょっぴり切なくて味わい深いのですけれど、
緋寒桜は花全体がポソッ、ポソッと落ちていきます。
草や道路の上に花ごと落ちた眺めは、それはそれで美しいものです。
二つ目は、花見の楽しみ方。
内地ではシートを広げて、お弁当を食べながら、
はたまたお酒を飲みながら、ゆっくり時間を過ごすのが一般的ですが、
沖縄ではドライブスルー、またはウォーキングしながらが
オーソドックスな花見の楽しみ方なんです。
三つ目は露天の存在。
内地でも場所によっては露天が出るスポットもありますけど、
お弁当や飲み物持参で花見に出かける場合が多いので、
どっちかといえば露天はあってもなくても構わない存在ですよね。
でも、沖縄の場合、露天の存在は花見の準主役なんです。
花見に行ったら露天前で生ビールやチョコバナナにチュロス。
これが、もう一つの花見の楽しみ方なのでしょうね。
今回ご紹介した二つの人気スポット以外にも見所はたくさんあります。
山道の脇の林の中の桜も味わい深いです。濃い緑にピンクの花。
亜熱帯の桜の美しさを自分の目で探してみるのもいいですね。
スマートポイント
◎花見シーズンの週末は那覇ーやんばる間の道路がかなり混み合いますので出発は早朝がおすすめです。
◎沖縄自動車道の終点、許田インターが混雑している時は一つ手前の宜野座インターで降り、東海岸から本部方面に向かうと渋滞を避けられることが多いです。
※こちらは、公開日が2015年3月22日の記事となります。更新日は、ページ上部にてご確認いただけます。
福田展也
目下の趣味はサーフィン・沖縄伝統空手・養蜂。心で触れて身体で書けるようになることが10年後の目標。