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観光観光

2017.01.19

旧下ヨイチ運上家で江戸時代の
北海道をのぞいてみよう

writer : タカハシアキコ

北海道新幹線が走る、函館北斗駅や木古内(きこない)駅の周辺一帯。江戸時代、このあたりは松前藩と呼ばれていました。当時の松前藩は、ニシンや鮭、昆布、熊の皮など、アイヌの人たちとの交易で収入を得ていました。1853(嘉永6)年に改築された旧下ヨイチ運上家(きゅうしもよいちうんじょうや)は、松前藩士からその交易を請け負った商人が、経営の拠点としていた建物。運上家としては唯一現存されている、貴重な歴史的建造物です。
旧下ヨイチ運上家
部材の多くを生かしながら復元された建物のなかは、身分ごとに区切られた板の間や座敷の部屋、巨大な神棚や酒部屋、そしてトイレまでもが再現されています。当時を思わせる、仕草がリアルな役人や船頭さんなどの人形も見どころの一つです。

トイレまで江戸時代仕様!? 暮らしをチェック!

NHKの朝ドラマ「マッサン」の舞台となった余市町。余市町駅前からニッカウヰスキー余市蒸溜所の横を走る国道229号を積丹方面へ向かうと、左手に三角屋根の風情ある建物が見えてきます。車では余市中心部から5分、徒歩で20分ほどです。
旧下ヨイチ運上家外観
下ヨイチは「しも」と呼び、川を隔てて余市に上下(かみしも)と二つの区域があったことから来ています。運上家は「うんじょうや」で、アイヌ交易のために、道内の各地に建てられた松前藩の出先機関のこと。現存しているのはこの一軒だけで、国の重要文化財にも指定されています。
当時を再現した室内
スリッパに履き替えて室内に上がると、出稼ぎの漁師たちが過ごす板の間が広がっています。。囲炉裏につり下げた、わらじや干し魚がなんともリアル。漁具や生活用品も並んでいるので、じっくりと見てみましょう。入口から向かって左奥には、当時のトイレも再現されているのでお見逃しなく。
暖を取る大船頭
こちらで暖を取っているのは、大船頭さん。先ほどの板の間に比べて、少し床が高めになっているのが分かりますか? 身分に高くなるにつれて、建物の床には段差が設けられています。

まるで神社? 見上げれば巨大な神棚にびっくり

建物内には、当時の様子を描いた絵が飾られています。さまざまな身分の人たちが、一つ屋根の下でどのように過ごしていたか、よく目を凝らして見てくださいね。描かれたなかにはワンちゃんもいます。
当時の生活風景が描かれた絵
ぐるりと見渡す板の間の広さに、当時はどれだけ多くの人がここで生活したり出入りしていたかが分かります。見学に訪れた誰もがちょっと驚くのは、天井近くに設けられた巨大な神棚。まるで小さな神社のようで、人々の厚い信仰心がうかがえます。床には、貴重な年代物のさい銭箱も置かれています。
広い板の間
大きな神棚
賽銭箱

幕府の役人や商人、旅人までが一つ屋根の下に

時代劇で有名な、あの「遠山の金さん」のモデルになった遠山景元(かげもと)。その父親である遠山景晋(かげくに)も、この旧下ヨイチ運上家に滞在しています。幕府の目付として、道路の開削や地方警備を行うための視察で訪れたとか。お座敷の人形にも“金さん”のような風格がうかがえますね。
座敷
役所的な業務を行う勤番詰所や商人の帳場などは、板の間ではなく畳敷き。それぞれの身分に応じた部屋になっているので、障子や畳などをよく見比べてみて。
帳場

二階には秘密が? 聞いて分かる江戸時代事情

建物には、二階へつながる階段が二つあります。どちらも急で踏み板が狭いので、気をつけて上ってくださいね。それぞれの階段の先には、旅人が泊まる板の間と、漁師が寝るための板の間に分かれています。
急な階段
室内
空間をふさぐ壁
「本当はこの先に空間がまだあるんですが、壁でふさがれているんです。なぜだか分かりますか?」と、問いかけるのは、旧下ヨイチ運上家を管理している奥野さん。「この先の一階は、武家など身分が高い人の部屋になっているからです」。つまり、上から襲われたりしないために、このような造りになっているのだとか。ちょっと見ただけでは分からないことも、たくさん教えてくれますよ。

ソーラン節が聞こえてきそうな海を眺めてみよう

建物の山側には、おもむきのある日本庭園も再現されています。こちらの緑や池の周りを、ゆっくりとお散歩してみるのもいいですね。歴史的建造物である旧下ヨイチ運上家の、サワラの板柾(いたまさ)に余市川の石を並べた特徴的な屋根も、ここからよく見ることができます。大きな鳥居のあるモイレ神社にも、旅の無事を祈って手を合わせていきましょう。
再現された日本庭園
モレイ神社
道路側に出れば、昔はニシンなどを干していた広い砂地が。その向こうは遊歩道になっていますが、かつては砂地のすぐ先が海だったそうです。数々の番屋を管理していたのも、この旧下ヨイチ運上家。「今日もニシンが来てるぞ~!」。そんな声が、こだましてきそうな海を眺めながら、遊歩道を散策でもしてみませんか。

スマートポイント

  • ニシン御殿として「マッサン」のロケが行われた、歴史的建造物「旧余市福原漁場(ぎょば)」へあわせて行ってみるのもおすすめ。旧下ヨイチ運上家からは、積丹方面に15分ほど歩いた国道229号線沿いにあります。
  • 余市の貴重な歴史を知ることができる、4施設共通入場券(旧下ヨイチ運上家、旧余市福原漁場、よいち水産博物館、フゴッペ洞窟)は大人880円、小中学生320円。各施設の入場料は大人300円なのでお得です。
  • 希望者には「幸福運巡り」のマップがもらえます。余市神社~幸田露伴句碑~旧余市福原漁場~旧下ヨイチ運上家~三吉神社の5か所を回ると余市(良い地)での願いがかなうとか。宝くじが当たった人もいるそうですよ!

ライターのおすすめ

5~11月までの土曜日、日曜日、祝日には、ボランティアスタッフが施設内の説明をしてくれます。何気なく見える物にも興味深いエピソードがあるので、ぜひ参加してみてはいかが。

タカハシアキコ

北海道移住歴20年。亜熱帯の血を持つ寒がりライター。お手ごろで魅力的なモノやスポットを発掘すべく歩き回っています。

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