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観光観光

2016.02.04

軟石造りの札幌市資料館で
歴史とアートが融合する

writer : 金子 美里

外観
札幌市資料館は、大通公園の西端にたたずむ軟石造りの堂々たる洋館です。大正後期に当時の高等裁判所である控訴院として誕生し、1973年まで、実際にこの建物で刑事や民事の裁判が行われていました。役割を終えた後も建物はかつての姿のままに残され、戦前の法廷の様子やまちの歴史などを伝える資料館に転身。また、2階にある個室は、ギャラリーとして活用されています。2014年の札幌国際芸術祭で中枢施設の一つとして活躍してからは、アートを発信する拠点の役割も担うようになりました。趣き深い建物の中で、歴史の重みと最新のアートを体感しちゃおう。

重厚感のある札幌軟石造りの建物を深く味わおう

威厳のあるたたずまいが魅力的な建物。その重厚な雰囲気を作り出しているのが、札幌軟石を利用した外壁です。南区の石山から切り出したこの軟石は、軟らかくて加工がしやすいうえ防火の面でも優れていたので、有用な地元産の建材として開拓期の北海道を支えました。
展示(原石)
展示(加工品)
まちの歴史展示室や廊下のパネルでは軟石の特徴や歴史などについて紹介。さらには、建物のどこにどんな石が使われているかや「組積造(そせきぞう)」という特殊な建築工法について学ぶことも。石材の知識をもって資料館の建物を眺めればワンランク上の楽しみ方ができますよ。

かつての法廷で、裁判の雰囲気を直に感じる

この建物は、大正末期の1926年に札幌控訴院として誕生しました。控訴院とは、現在で言う高等裁判所のこと。当時の姿のままに残されている建物には、さまざまなところに裁判所の痕跡が残されています。
目隠しをした女神像
例えば入り口頭上に描かれる目隠しをした女神像。これは心の目で人を裁くという公正無私な裁判官の精神を表したシンボルです。
法廷を再現
また、刑事法廷展示室では戦前の法廷を再現。裁判の雰囲気を肌で感じることができます。実際に、市民が模擬法廷としてこの場所を利用することもあり、運がよければその様子を見学できるかも。また、スタッフやボランティアガイドに声をかければ法服に身を包んで裁判官になりきったユニークな記念写真も残せますよ。
法服
法服は子どもサイズも用意しています。

記念すべき北海道の有形文化財第1号!

戦前、控訴院が建てられたのは国内でたったの8箇所。さらに、現存しているのはそのうち名古屋と札幌の2つだけです。しかも当時の面影をきちんと残し、かつて裁判所として活躍していた姿を今に伝えているのはこの建物のみ。歴史の重みを感じさせる軟石造りであることも含めて建物の貴重さが認められ、1997年に北海道で初めて有形文化財の登録を受けました。
有形文化財の登録パネル
玄関脇の壁に据えられた、第1号の輝かしいパネルはぜひぜひ写真に収めて帰ろう。

芸術を感じるスペースもいろいろ

おおば比呂司の記念館
刑事法廷展示室のちょうど反対側、かつて民事法廷の行われた部屋は、地元ゆかりのイラストレーターおおば比呂司の記念館として利用されています。
展示室
アトリエ再現
刑事法廷展示室でも見られた鏡のオブジェが掲げられており、裁判所の面影を残しています。グッズ販売なども兼ねた記念室3のスペースでは、自宅アトリエを再現。3つの部屋にわかれた記念館では、漫画や原画のほか、愛用品なども展示され作品だけでなく、作家の人となりにも触れられます。
ギャラリー(生け花)
ギャラリー(写真)
検事や裁判官などの控え室として使われていた2階の個室は現在ギャラリーとして活用。市民サークルから現代アーティストまでの作品展示がその都度行われています。歴史を感じる建物と、現代の芸術が融合した興味深い展示会で新しい美的センスが磨かれそう。

おしゃれなカフェはアートの発信基地

この資料館は、2014年に札幌国際芸術祭(SIAF=サイアフ)で要となるワークショップの会場などとして使われました。その後、SIAFの事務局がおかれ、世界へアートを発信する拠点としての顔も持つように。
カフェラウンジ
入館して左手にあるカフェはSIAFが運営するカフェラウンジ。美術に関する書籍などが並ぶほか、2017年開催予定の次回芸術祭をはじめ、アート情報が集まってます。
コーヒー
共有スペースとして誰もが気兼ねなく利用できますが、ドリンクや手作りスコーンを味わうことも可能です。コーヒー280円は、宮田屋の豆を一杯ずつ丁寧におとす香り高い一杯。

前回の芸術祭で総監督を務めた坂本龍一の直筆サインも残っています。室内のどこに書かれているのか探してみるのも楽しいですよ。

大通公園に溶け込む壮麗な建造物

資料館が建つのは、大通公園の西の端。東端にそびえるさっぽろテレビ塔と公園をはさむように向かい合っています。そのため資料館から見る公園は、テレビ塔からの風景とちょうど真逆。観光ガイドなどで見慣れた公園とは一味違う景色を楽しむことができるのです。
サンクガーデン
また、多種のバラが植えられる公園の西12丁目、サンクガーデンはまるで資料館の前庭のよう。花の最盛期にガーデンから石造りの資料館を眺めればヨーロッパを旅している気分に浸れます。
入口
入館無料でカフェも併設しているので、公園を散策した後、ほっとひと息つくにも最適。またさっぽろ雪まつりなど、大通公園を会場にしたイベントの際にも休憩や暖をとったり、トイレタイムに利用するなど気軽に立ち寄れます。

2016年度からは、新たな芸術の拠点として役割を強める整備計画も立てられています。お休みついでに、館内を巡って歴史や芸術に触れれば思いもよらない感動に出会えるかもしれません。

スマートポイント

  • 館内にはボランティアガイドが常駐。建物や歴史などについてさまざま教えてくれます。ぜひ声をかけて観光をより楽しもう。
  • 入館無料でカフェも併設されているので、大通公園散策の途中でひと息いれるのに最適です。さっぽろ雪まつりなどイベントの際にトイレ休憩に使うのもOK。
  • カフェラウンジは無料開放されているので、気兼ねなく立ち寄ろう。フリーWi-Fiも使えるので、旅の情報収集をしたいときにも便利です。

ライターのおすすめ

刑事法廷展示室は法廷の様子を実際に感じられる貴重なスペース。室内に立ち入り禁止エリアはないので、裁判長や被告人などの席に自由に座ってみて。それぞれ見える景色が違って、感慨深いものがあります。

金子 美里

フリーランスライター。地元情報誌の編集として勤めたのち独立。現在は観光情報誌や旅行雑誌などに執筆。

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