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観光観光

2017.02.07

石狩の原点を語る展示品の数々
いしかり砂丘の風資料館

writer : 上坂 由香

札幌市の隣にある石狩市といえば、もはや当然のように「石狩鍋!」という声が聞こえてくるほど鮭料理のイメージですが、実はそれだけではありません。
砂丘の風資料館
北海道で一番大きな川である石狩川と日本海が合流する「河口の町」石狩は、縄文時代から鮭を求めて集まってきた人々の物語はもちろん、クジラの化石からチョウザメまで、悠久の浪漫に満ちた歴史がいっぱい! 日本でも珍しい砂丘の上に栄えた石狩の歴史を「いしかり砂丘の風資料館」の展示品を見ながら、タイムトリップしてみませんか?

北海道一の大河は獲れた魚のスケールが違う!

札幌市内にある中央バスターミナルから「石狩行き」に乗って約40分。「石狩温泉」を下車してすぐにあるのが「いしかり砂丘の風資料館」。バス停に降り立つと波の音が聞こえ、ふんわりと潮の香りがする海の側にあります。
資料館内部
資料館に入ってまず驚かされるのは、石狩川で獲れたチョウザメの標本! チョウザメとは、淡水から海水域に生息している大型の魚類で、その卵は世界三大珍味のひとつとして知られるキャビアですね。
チョウザメの標本
かつて北海道の河川では、石狩川や道北に河口のある天塩(てしお)川などに遡上していました。現在、日本のチョウザメは事実上絶滅したとされていますが、こちらの標本は1969(昭和44)年に石狩川で捕獲されたもの。ひょっとして、いまでも網にかからないだけで、まだチョウザメが川にいるかもしれない…そんな浪漫を感じさせる下記の写真が、標本の上に展示されています。
生きたチョウザメ
石狩市内の低地部で出土したナガスクジラ類の肋骨は約6000年前のもの。いまから1万年前から5000年前まで、石狩は海の底だったことが、この化石からわかります。
化石

石狩は魚だけじゃない!オイルラッシュににぎわった時代も

石狩では江戸時代末期の1858(安政5)年、石狩に派遣された役人が、石狩北部の望来(もうらい)海岸に石油の浸出を発見し、山のなかで油田の存在を確認。1903(明治36)年から、本格的な油田開発がはじまり、油井(油を採るやぐら)の数は最大時で188基と壮大に。石狩油田の最盛期は、年間1万キロリットルの産油量を誇り、とても夢のある町だったことがうかがい知れます。
当時のジオラマ
石油
山のなかの油田から札幌の精製工場まで、約30kmのパイプラインを結ぶ送油塔を石狩川河畔に建設。空中にワイヤロープを張り、石狩川の上を渡らせていました。当時の油田作業員だった人が製作した送油塔の模型も展示されています。1960(昭和35)年に油田の歴史は幕を下ろしましたが、いまなお山奥の大地に染み出ているそう! トロンとした漆黒の石油が入ったガラス瓶は、ずっしりとした重量感。鮭漁と合わせて、オイルラッシュに沸いた当時の繁栄が閉じ込められているようです。
展示品

なんと縄文時代の遺跡から出た木製品の数々に驚き!

石狩には約200カ所余りの遺跡が点在し、古くは縄文時代に使われていた木桶などの生活用品が数多く出土しています。考古学好きさんにはたまらない展示スポットですよ。
縄文時代の品
石狩紅葉山49号遺跡から発掘されるものは、縄文時代前期後半から中期後半のもの。なかでも「エリ」と呼ばれる木製の漁労施設は、定置網のように川のなかに仕掛けて鮭漁に使っていました。この「エリ」は、国内でも最古級の希少性のあるもので、縄文時代からたくさんの鮭を獲っていたことがわかります。
木製漁具の展示
海の底だった石狩がやがて陸地になったとはいえ、水はけのよくない低湿地帯で、縄文時代の木製生活用品がほとんど腐らずに出て来たというから驚きですね!ちなみに、石狩紅葉山とは、標高17.8mの北海道で5番目に低い山で、一見すると山とはわからない丘陵のひとつ。縄文時代から人々の営みがあった石狩は、遺跡の上に町ができているようなものなのです。
木製生活用品

缶詰発祥の地でオリジナル缶詰を作ってみませんか?

日本で最初にアメリカ製の製缶機や製造機械を導入し、本格的な缶詰の生産をはじめたのはここ石狩。日本の缶詰発祥の地です。1877(明治10)年に開拓使が、石狩で獲れた鮭を使って缶詰の生産事業を行いました。
鮭の缶詰
開拓使が廃止された後は、1887(明治20)年に高橋儀兵衛(ぎひょうえ)が引き継ぎ、石狩での缶詰生産事業は1912(明治45)年まで続きました。
手作り缶詰
こちらはその当時、実際に使われていた手動式の缶詰製造機。缶に鮭を詰めた後、ブリキの蓋をする工程で使われていました。缶詰を量産するには、たくさんの人々の手作業で作られていた事を物語りますね。
手作り缶詰の様子
いまでは缶詰工場のあった面影のない石狩ですが、資料館では手作り缶詰工場が人気!1缶150円で、好きなものを入れた缶詰が作れます。手持ちに何もない時のために、資料館の学芸員さんが採取したメノウ石(宝石ですよ!)や折り紙などを、ひとつ選んで入れることができます。旅の思い出をメッセージカードに書いて缶詰にするなんて、ロマンティックですね。

漂流物から知る「いま」の石狩

石狩川が上流から運んでくる砂が堆積した砂丘の上にある石狩の町。日本海につながる河口や浜辺では、遠く上流の炭鉱町から運ばれたと思われる石炭が見つかることも。
漂流物の展示
いしかり砂丘の風資料館では、砂浜に流れ着いた物も展示しています。ロシア語や韓国語などが書かれた瓶や生活用品、南方からはヤシの実など。時々、力尽きて浜に打ち上げられるアザラシは剥製に…。海流に乗ってやって来る漂着物から、「いま」の海の様子を垣間見ることもできます。
旧長野商店
資料館の隣にある、明治から大正時代にかけて石狩の代表的な商家だった「旧長野商店」も見どころのひとつ。明治時代に建てられた石蔵の店舗の内部は、当時の商いの様子を感じさせる品々が飾られています。いしかり砂丘の風資料館の入場券を購入すると、こちらも見学することができますよ。石狩の町をぶらりと散策した時に出合った野鳥や草花、砂浜で拾った小石や貝殻がどんなものなのかを、いしかり砂丘の風資料館で調べてみてはいかがでしょう? 研究者になった気分で旅を楽しんでみて!

スマートポイント

  • 資料館のカウンターに、石狩の見どころや地図が書かれた「石狩宝自慢」というパンフレットがあるので、ぜひともGETを。日本海に沿って縦に長い石狩市の全貌が掲載されていて便利です。
  • いしかり砂丘の風資料館に隣接している市指定文化財「旧長野商店」の見学も、こちらの資料館が問い合わせ先になっています。石狩の繁栄の「顔」ともいえる石造りの建造物も見どころのひとつですよ。
  • 資料館の斜め向かいにあるのが石狩の天然温泉「番屋の湯」(大人650円)。「化石海水」というちょっぴり塩っぱい温泉で、とてもよく温まります。資料館で石狩の化石を見た後に入ると、また格別かもしれません。

ライターのおすすめ

鮭のイメージしかなかった石狩に、クジラの骨の化石やアザラシの剥製は、ちょっと意外な出合いで胸が高鳴りますよ。缶詰を作りたい方は、なかに入れるものを持参するのがオススメです!

上坂 由香

5年に1度くらいしか風邪をひかない体質を自慢していたら、普通に歩いていただけで膝の半月板を故障。足腰の弱まりを痛感している今日この頃。

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