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観光観光

2017.02.05

ラピスラズリの色にときめいて
豊平館で明治にタイムトリップ

writer : タカハシアキコ

札幌観光の定番といえば、町なかにある時計台に、赤れんが庁舎の呼び名で親しまれる北海道庁旧本庁舎。でも、2kmほど離れた中島公園にも、同じころ造られた歴史的建造物があるのをご存知ですか? 
豊平館
開拓使のシンボル、赤い五稜星を屋根飾りに抱いた豊平館は、1880(明治13)年に開拓使庁が建てた洋風のホテル。第一号の宿泊客に明治天皇をお迎えした歴史的建造物で、その後も中央政府の高官や外国人技師が泊まったり、西洋料理を出す宴会場として使われてきました。
豊平館外観
1964(昭和39)年には国の重要文化財にも指定され、2016年のリニューアル工事では、さらに当時の様子が再現された豊平館。緋色のじゅうたんや重厚な造りの階段を、かつての貴婦人のようにラグジュアリーな気分で歩いてみてはいかが?

札幌市民のオアシス、中島公園に立つ優雅な洋館

豊平館へのアクセスは、地下鉄南北線のさっぽろ駅から三つ目、大通からは二つ目の駅中島公園駅が便利です。札幌市電でも、中島公園通の停留所から豊平館まで徒歩5分ほどですが、地下鉄は3番出口の階段を上れば、そこはもう中島公園の敷地内。すすきのからは1kmぐらいなので、札幌の街並みを眺めながら歩いていくのもいいですね。
洋風建築
緑に囲まれたなか、白亜の殿堂といった風格を見せる豊平館。柱や窓枠に使われているウルトラマリンブルーの色は、古くは貴重なラピスラズリの石から作られたものです。設計の基本は木造のアメリカ式ですが、五稜星の下にある大屋根には、日本古来の火除けのおまじない「懸魚(けぎょ)」があったり、バルコニーを支える柱はギリシャのコリント様式だったりと、さまざまなデザインが採り入れられているのも見どころ。明治に造られた当時は、ひときわ斬新な建物として市民の目に映ったに違いありません。
入口

ボランティアガイドの案内で歴史をもっと身近に

豊平館は、市民会館や市営の結婚式場などを経て、2012年からは耐震補強を含む保存修理が行われ、2016年には受付やトイレのある付属棟を併設して、建物内部も当時の設計をほぼ忠実に再現しました。見学は正面玄関ではなく、裏手に新設された付属棟から入るようになっています。大きな荷物があったら、受付で預かってもらえますよ。
付属棟
館内
豊平館にはボランティアガイドが常駐していて、館内の案内もしてもらえます。ぱっと見ただけでは分からないような、興味深いこともたくさん教えてくれるので、ぜひお願いしてみて。混雑などの関係もあるため、豊平館には事前に問い合わせておいたほうが確実です。

豪華さにため息!洋式の館に日本技術の匠の技が

2階の大広間は、西陣織の重厚なカーテンにじゅうたん、明治時代のシャンデリアと、思わず目を奪われるゴージャスさ。それも、東京の鹿鳴館の2年前に建てられたというから驚きです。設置されているタブレット端末も、ぜひ使ってみて。室内にかざしながら、建物の構造や当時のイメージなどをシミュレーションできておもしろいですよ。
タブレット端末で見る当時のイメージ
さらに、寒い北海道に欠かせない暖炉ですが、優雅さを醸しだすこの暖炉飾りをよく観察してみましょう。一見、大理石のようですが、天板以外は漆喰(しっくい)で作られているというから驚きです!
暖炉
各部屋にある、シャンデリアの美しい天井飾りにもご注目を。部屋の名前にちなんで、ウメやボタンなどが漆喰で美しく描かれています。ブドウの間(ま)では、なんと立体的なブドウの房までが漆喰で作られているとか。繊細な技術が無くては作れない装飾の数々を、じっくりと鑑賞してくださいね。
天井の飾り

歴代天皇も滞在した由緒ある館でウエディングも

2階には、明治、大正、昭和天皇が滞在された際に使われた数々の品が展示されています。部屋や寝室もリアルに再現されていて、ボーイさんが、朝になると洗顔のためのお湯を運んでくる……、そんな光景が見えてくるようですね。
寝室の再現
1958(昭和33)年から2012(平成24)年までは、豊平館は札幌市営の結婚式場として使われ、これまでに2万2千組のカップルが式を挙げています。当時を懐かしんで訪れるご夫婦のために、館内の一部は結婚式が行われた部屋や、思い出をたどるスペースとして保存。いまでも、豊平館は挙式や披露宴の会場として借りることが可能です。タイミングが良ければ、幸せな新郎新婦の姿が見られるかもしれませんよ。
結婚式の様子

黒田清隆にヘレン・ケラー、歴史上の人物が豊平館に

このように、札幌市民とともに歩んだ豊平館の歴史は、館内に設けられた映像やタッチパネルでも見られるのでお見逃しなく。ヘレン・ケラーや川端康成も訪れ、戦後の一時期には進駐軍の影響でデパートになった時期もあったそうです。
豊平館の歴史がわかる映像展示
かつては札幌の中心部、さっぽろテレビ塔の北側にあった豊平館。目の前には庭園があって、開拓使長官だった黒田清隆も2階のバルコニーから景色を眺めたり、皇太子時代の昭和天皇が市民に手を振っていたそうです(現在はバルコニー立ち入り禁止)。
バルコニーからの景色
明治時代から140年近くもの間、札幌の移り変わりを見守ってきた歴史的建造物の豊平館。緩やかに時が流れる空間で、北のまちづくりに熱意を込めた開拓使たちの思いを感じてみませんか。

スマートポイント

  • 豊平館は観覧料が300円ですが、2回入館すればお得になる年間パスポート500円もあります。桜の季節、雪の季節など四季折々の札幌の風情を味わうならぜひリピートを!
  • 午後5時から10時まではユリ・フヨウなどのお部屋を1時間500円から予約制で借りることができます。食べ物やドリンクの持ち込みなどもOK(要問い合わせ)。レトロな空間で優雅なひとときを過ごしてみては。
  • 豊平館では不定期でコンサートや音楽鑑賞などのイベントが行われるので、公式サイトをチェックしてみて。日程を合わせて行けば、旅の思い出がいっそう深まるかも。

ライターのおすすめ

豊平館がある中島公園は、中心部からも気軽に行ける札幌市民の憩いの場。夏はボート、冬は歩くスキーができるほか、コンサートホールKitaraや北海道立文学館などもあるので、あわせて楽しんでみてはいかが。

タカハシアキコ

北海道移住歴20年。亜熱帯の血を持つ寒がりライター。お手ごろで魅力的なモノやスポットを発掘すべく歩き回っています。

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