古典的な作品から新たな作風まで、
沖縄の焼き物が揃う那覇市の「壺屋やちむん通り」。
那覇市の台所「第一牧志公設市場」や
今注目の「桜坂」地区からほど近く、穴場のスポットである。
表通りは焼き物屋が点在し、一歩中に入った裏路地は、
昔の沖縄らしい風景が色濃く残るディープ感が漂う。
今回はそんな壺屋をグルメとともにご紹介。
グルメ
2015.07.29
歴史ある景観!那覇の焼き物街
「壺屋やちむん通り」のグルメ
writer : miya-nee(みやねえ)
那覇の焼き物街「壺屋やちむん通り」とは!?
沖縄県の人間国宝「金城次郎氏」が築窯したのが、ここ那覇市の壺屋。
壺屋焼の歴史は古く、1682年まで遡る。当時の名残として、
県指定文化財の南窯(フェーヌカマ)や東窯(アガリヌカマ)の
登り窯が見学でき、2002年に那覇市の景観形成地区に指定。
マンションや新たな建造物にも琉球赤瓦が使用され、
漆喰の瓦屋根や古民家が立ち並ぶ風情のある景観である。
裏路地散策も面白い!琉球の情緒漂う古い町並み
「壺屋やちむん通り」は那覇市の住宅街にある。
表通りは焼き物屋が並び、裏路地は静かな住宅街の細道。
緑が茂る外壁や個性的なシーサー、見学可能な育陶園の窯元や
途中休憩にほどよい食事処など、
昔ながらの沖縄が漂う必見の裏路地である。
市場や国際通りが近いからか、意外なことに飲食店が少ない壺屋。
散策途中にひと休憩!
そんなときにオススメなカフェや食事処を紹介しよう。
登り窯が見学できる!壺屋焼と喫茶「南窯」
壺屋の中では最も古いカフェ。
裏庭には、登り窯の南窯(フェーヌカマ)があり、自由に見学できる。
このカフェの建物は元々、南窯の薪を置く倉庫だった場所。
その内装だけをリニューアルし、建物の外観は当時のままだという。
壺屋やちむん通りで一際古さを感じる外観は、
歴史を物語る建築物だった。
そして、南窯の横にある大きなガジュマルの木。
この木の根っこがスゴいことになっていた!なぜだ、
なぜ焼き物の上に木が生えているのだ!
詳しく聞くと、販売できない割れた焼き物を放置していたところ、
根っこが伸びてこんな状態に。自然の摂理が織りなす珍百景。
自然の力は偉大だ!
珈琲は店のオリジナルブレンドで、
全てのドリンクを焼き物で提供している。
時折り、飼い猫が店の周囲をうろつき回るのどかな光景に出くわし、
店内で沖縄の焼き物を販売しながら、休憩できるレトロなカフェ。
焼き物と雑貨を販売!手作り感が満載のカフェ「チャタロウ」
「やちむんとカフェ チャタロウ」は、
雑貨屋とカフェを併設した一際目立つオシャレな外観。
沖縄の作家が現代風にアレンジした焼き物や雑貨は、
見てて飽きないかわいさと面白さがある。
ゴーヤの箸置きは、食卓を彩るのに相応しい画期的で楽しい作品。
これを使えば、食卓の夫婦喧嘩が防げるかもしれない。
石垣島に住むオーナーのお父様が手掛けたロッジ風のカフェは、
石垣島の質の良い木材を使い、手作り感のある温もりが溢れている。
椅子やテーブルもオリジナルで遊び心あるイラストが描かれている。
料理の食器には沖縄の焼き物を使い、
オリジナルメニューのランチが待っている。
「島の野菜とチキンのバター野菜カレー(980円税込)」は、
スパイスが効いたトマト風味のカレーライス。
「えっ!?」と思わず声が出そうな豪快に盛られた
「沖縄ぜんざい」もある。
テラス席のある古民家「茶屋すーじ小(ぐゎー)」
最後に紹介するのは、壺屋にある窯元「育陶園」が運営する
古民家の食事処。
先代の母が窯元の職人にまかないとして出していた「沖縄そば」の味を
受け継ぎ、現在は娘さんが2代目として営業中。
仏間のある座敷席と気持ちの良いテラス席。
高台に位置するため、室内でも風通しが良く、
ここで飲むオリオンビールは格別だろう。
どちらの席も捨てがたく、
仏間で飲むオリオンビールなどめったに味わえない体験である。
焼き物のショッピングを楽しみながら、
ランチやコーヒーブレイクで休憩タイム。
那覇市の街中にありながら、昔ながらの沖縄の風景に出会える
「壺屋やちむん通り」。
直線約400メートルの散策は、所要時間1〜2時間ほど見ておきたい。
スマートポイント
- 壺屋やちむん通りの入口に立つ「壺屋うふシーサー」は重さが約3トン、高さ3m62cmの巨大シーサー。
- 「壺屋焼博物館」に行けば、壺屋焼の詳しい歴史を知ることができる!
- 那覇市の台所といわれる「第一牧志公設市場」まで徒歩約10分。今注目のカルチャーを発信するスポット「桜坂」から徒歩約5分。
ライターのおすすめ
那覇市の中心地にありながら、沖縄の古き町並みと焼き物を堪能できる静かな穴場スポット「壺屋やちむん通り」。散策の途中、カフェで一息つきながら風情ある雰囲気を存分に味わおう。

miya-nee(みやねえ)
JTBの元ツアーコンダクター。現在はライターをはじめとして、Web講師、カメラマンなどと多岐にわたる仕事に取組む。
INFORMATION
スポット名 | やちむんとカフェ チャタロウ |
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住所 | 沖縄県那覇市壺屋1-8-12 |
電話番号 | 098-862-8890 |
料金 | 1,500円 |
営業時間 | 10時〜18時30分 |
定休日 | なし |
駐車場 | あり |
備考 | HP : http://cafe-chataro.com/ |