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観光観光

2016.10.26

[竹富島]最大行事、種子取祭②
奉納芸能初日の神事の数々

writer : 伊藤麻由子

奉納芸能の舞台
待ちに待った奉納芸能がいよいよ行われます。夜を徹して準備された舞台は、演者達が現れるのを待つばかり。
ですが、その前にやらなければならない儀式が、実はまだ数々あります。まずは、早朝。弥勒奉安殿(みるくほうあんでん)で行われるのが、弥勒興しの祈願。弥勒とは、ニライカナイ(八重山ではニーラスク・カネ―ラスクという)の楽土から、豊年を運んでくれる神様のこと。竹富島では、年に3回、弥勒が興されます。

あたりはまだ暗い早朝から弥勒興しは始まる

正装した島の男たち
太陽もまだ昇らない静寂の中、島の男、公民館役員・有志・三郷友会長達が正装した姿で現れました。そして、向かったのは舞台の正面から見て左にある弥勒奉安殿。扉を開けて、弥勒を興します。
弥勒奉安殿
弥勒興しの祈願が終わるころにはあたりも少し白々と…。
弥勒興しの祈願
イバンの葉を取る儀式
神司達は世持御嶽での祈願を終えると、弥勒を興した面々と合流。バルヒル(発芽)の願い、神前に飾るイバン(九年母という柑橘の植物)の葉を取る儀式を行います。
そして、舞台へ。この時行われるのは「乾鯛(かんたい)の儀式」。ヤマトの習慣を持ち込んだといわれており、伊勢神宮でも平安時代からお供えされています。ただし、乾鯛は「歓待」から由来するという説もあります。
乾鯛の儀式

集落を歩き主事宅に参詣へ

玻座間村西区の主事の家に向かう
御嶽・舞台での儀式が終わると、竹富島に三つある集落のひとつ「玻座間(はざま)村西区」の集落の責任者である主事の家へ向かいます。それを参詣と呼び、公民館長、島の約識者、古老達は太鼓やドラを打ち鳴らしながら、ユークイ歌を歌って歩きます。ユークイとは世乞いといって、ユー(豊饒)を乞うという意味。ちなみに、今日の舞台は玻座間村の芸能が披露されます。
出迎える集落の人々
集落では親族やその集落の人達が出迎えをします。
真剣ながらも、とてもいい笑顔で行事が進行していくのを見るにつけ、この種子取祭が島にとっていかに大事な祭事のひとつであるか、その思いがそれぞれの場面から伝わってきます。
巻き唄えお踊りながら唄う
主事の家に皆が着くと挨拶をして庭に入り、円を描くように周りながら世迎えの巻き唄を踊りながら唄います。そして、ひとしきり巻き踊が終わると、家の中へ。
参詣の儀式ののち、一行は奉納芸能が行われる世持御嶽の広場に戻ります。
参詣の儀式

「庭」という、もうひとつの舞台で行われる奉納芸能

ガーリィ(願礼)
午前10時。
広場では島の人をはじめ、観光客などたくさんの人が奉納芸能を楽しみに集まってきました。思い思いに見やすい場所を確保し、登場を今か今かと待ちわびています。場の雰囲気もだんだんと盛り上がってきたようす。
そんな中、戻ってきた一行が楽しそうにガーリィ(願礼)を繰り返し踊り始めます。
棒
種子取祭を清める役割
庭の芸能の演目は「棒」から始まります。棒はある種のお祓いの意味を持つとされ、種子取祭を清める役割を果たします。そして、「太鼓」。太鼓の時の衣装はなんと袴姿なのですが、これは竹富島の衣装ではなく、琉球王国時代の薩摩藩士をまねたものだろうと考えられています。
太鼓
「ジッチェ」、「マサカイ」、空手を使った女性の踊り
続いて、働き者の女性をうたった「マミドー」。十人という意味の方袖を抜いて踊る「ジッチェ」、「マサカイ」、空手を使った笑いありの女同士の演技が魅力の「腕棒」、そして、島を出た人達が帰ってきて踊る「祝種子取」。庭の最後は、「ンーマヌシャ(馬乗者)」で、盛り上げます。
ンーマヌシャ(馬乗者)

スマートポイント

  • 当日に石垣から竹富島に入る人は、必ず事前にフェリーの予約をすませてください。かなりの人が島に帰省する上に、大勢の観光客がこの種子取祭の間に訪れます。行きのみならず帰りの予約も早めに取ることをおすすめします。
  • 庭や舞台の奉納芸能を見る時に、持っているといいのが敷物。地面やコンクリートの上に腰を下ろす可能性があるからです。自分のお尻の下に引くのにちょうどいいサイズの何かがあると役に立つはずです。
  • 多くの観光客の人が、奉納芸能を目当てに、当日の朝ゆっくりした時間で竹富島にやってくるのですが、可能であれば前日のようすから見ていたほうが、この貴重な行事を深く理解できるでしょう。

ライターのおすすめ

奉納芸能前の「参詣」の儀式ですが、ルールさえ守れば一行の後を一緒について行っても大丈夫です。じゃまをしない、前を横切らない、うるさくしない…など、ルールは極めて一般常識的なことです。

伊藤麻由子

撮影でアフリカを回り、沖縄の離島45をも行き着くす。写真と文章で島の良さを最大限に惹きだす。

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