* menu
閉じる

観光観光

2016.10.26

[竹富島]最大行事、種子取祭③
これが、初日の奉納芸能

writer : 伊藤麻由子

玻座間ホンジャー
華やかでおごそかで、真剣であり時には笑いもある、内容豊かな竹富島の種子取祭の奉納芸能。早朝からの数々の儀式を終え、庭での八つの演目が滞りなく演じられると、ようやくその舞台が始まります。時計を見ると、すでに11時。来る日も来る日も熱心に練習した竹富島の人達の種子取祭に寄せる思いを一気に目の当たりにすることができる、唯一無二の貴重な舞台です。

何といっても弥勒さまの登場には感極まる

会場
2日間に渡って行われる種子取祭の奉納芸能は、玻座間(はざま)村と仲筋村に分かれて行われますが、初日を飾るのは玻座間村。竹富島の西集落と東集落にあたります。会場わきにこっそり張られていた演目リストをのぞくと、その数38!果たして夜になる前に終わるのだろうかと余計な心配をしたくなってしまいます。さぁ、見学する側も気持ちを据えてたっぷり堪能を。
弥勒神
奉納芸能には狂言の部と踊りの部があり、狂言は男性の担当。だから舞台に上がるのは、女性の姿をしていても男性です。初めに、玻座間ホンジャーといわれる翁が登場し、豊作祈願の後、これから始まる芸能の許可を乞い、その披露を宣言します。すると、次に登場するのが「弥勒神」。待ってました!とばかりに、会場がその姿に引きつけられます。弥勒神の姿を見ると、心身が不思議と温かくなります。
弥勒奉安殿に納められる品
海の彼方から世(ユー)といって、富や豊作を運んで来てくれる五穀豊穣の神さま・弥勒神は、その昔、仲道家の人が海岸で拾ったその仮面を与那国家が譲り受け、拝むようになったとされています。だから、その仮面をかぶることができるのは今でも与那国家の当主。舞台が終わると多くの人々が次の演目に気が向いている中、弥勒面や一緒に使ったものはひっそりと弥勒奉安殿に納められます。
弥勒奉安殿弥勒面や使ったものを納める
弥勒奉安殿に納めた弥勒面

種子取祭の時の食べ物

「イーヤチ」の金額
奉納芸能が延々と続けられる中、あたりを見回すと弁当を食べ出す人が見られるようになってきます。もちろん舞台を見ながらの飲食も可能。お酒も回ってきます。そこで広場の一角にある出店をのぞくと、「イーヤチ」と書かれているものを発見。
イーヤチ
これは、種子取祭用のモチで、糯(モチ)米・アワモチ・少々の赤豆を混ぜて蒸した後、米粒や粟粒が見えなくなるまで練り合わせたもの。簡単に箸が通らないほどに粘りが出た、ずっしりくる祭事食です。かなり腹もちがいいというか、ずっしりきます。聞けば男性数人で大きなへらを使ってこねるのだそうです。
ピンタコ
そして、時折りニンニクの匂いがするなぁ…と気になっていたのが、これ。手にした弁当の中にも入っていたのですが、これは種子取祭の間、儀式などいろいろな場面で登場する祭りの食べ物です。「ピンタコ」といってその名の通り、竹富島で採れたニンニクとタコが酢漬けになったもの。各家庭によって味付けが違うのです。

奉納芸能の内容は本当に多彩

女性による踊り
舞台の方では女性による踊りの部の数々や、敵討の組踊の他、現代喜劇(ガイジンナー)といったちょっと笑いを誘うものや、沖縄歌劇の流れを汲む歌劇(ぺーク漫遊記)などが次々と奉納され、見ているものをひきつけて離しません。座って興じている島の人達の楽しそうな横顔が、この祭りの素晴らしさを感じさせます。
ぺーク漫遊記
胡蝶の舞
とりわけ衣装が美しい「胡蝶の舞」
曾我兄弟
そして、何と、竹富島で見る「曾我兄弟」。鎌倉時代初期の仇討。この曾我兄弟は、浄瑠璃や歌舞伎など、日本国内でいろいろな形となって表現されていますが、竹富島の「曾我兄弟」もまた興味深いもの。なんでも、定番の幸若舞(こうわかまい・日本芸能のひとつ)から直接竹富バージョンなったのではなく、無声映画がもとになっているとされています。
竹富バージョン曾我兄弟
そして、この「曾我兄弟」をもって、初日の奉納が終了。すでに日も落ちかけ、18時30分を過ぎていました。

スマートポイント

  • 種子取祭期間中に出される「ピンタコ」。これは、特に夜のユークイなどの場面で島の人にすすめられることがありますが、そんな時は遠慮なくいただきましょう。それはともに種子取祭に参加することを表す大事なことだからです。
  • 奉納芸能の裏側には回らないようにしましょう。舞台裏は気になるものかもしれませんが、立ち入る場所ではありません。「立ち入り禁止」と注意書きも書かれ張り出されていますが、 厳守しましょう。
  • 種子取祭は竹富島の行事です。いい場所で見たい気持ちもわかりますが、島の人を優先する気持ちを忘れずに。特に舞台周りには、島の子ども達、お年寄り、そして、正面前列には島の年男年女が座ります。

ライターのおすすめ

弥勒神の面とその一式が弥勒奉安殿に納められる時、くれぐれもその前に立ちはだかるようなことはしないようにしましょう。撮影をしたい人は特についつい列の正面でカメラを構えたくなりますが、厳禁です。

伊藤麻由子

撮影でアフリカを回り、沖縄の離島45をも行き着くす。写真と文章で島の良さを最大限に惹きだす。

スポット詳細

沖縄観光モデルコース

記事検索

ツアー検索

0