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観光観光

2015.03.25

一度は訪れたい沖縄の聖地
世界遺産、斎場御嶽

writer : 福田展也

琉球が誕生して以来の最高位の聖地

斎場御嶽の自然
琉球がこの世に誕生したのは今から
1万8千年まえのことだとされています。
この頃のことを今に伝える歴史書に
『中山世鑑』(ちゅうざんせいかん)や『球陽』が
ありますが、その中にも登場する聖地が斎場御嶽です。
世界遺産に登録されて以来、多くの観光客が足を運ぶようになり、
パワースポットとしても注目されるようになりましたが、
琉球王朝時代には王政を補佐する聞得大君が訪れる位の
高い聖地とされていました。
明治時代以降も、県内の神人(かみんちゅ)や深い信仰心を持つ方々、
地域に住む人々にとっての大切な祈りの場であることに
変わりはありません。

今回は、この聖地を見守ってきた地域住民の一人、
古堅ナビィさんに話を伺ってから斎場御嶽を訪ねてみました。

心を開く場所

斎場御嶽の内部
斎場御嶽や信仰の歴史についての展示がされている
“緑の館セーファ”を出て右側に、
意識しなければ見落としてしまいそうな拝みの場所があります。
まずここで、神々に対する訪問の挨拶として手を合わせましょう。
このとき、氏名、生まれ年(干支)、
住所と本籍地を小声でもいいので口にしてください。
そうすることで神様と繋がりやすくなれると言われています。

斎場御嶽の人
「語りかけるということは心を開くということ。
相手に語りかけてはじめて、自分の中に新しい何かが入ってくるのです」

お会いしてすぐ、ナビィさん御嶽に行く時の心構えを
わかりやすく諭してくれました。
窓を開けば新鮮な空気が部屋の中に入ってきますし、
小鳥のさえずりも良く聞こえまよす。
たぶんそういうことなのでしょうね。

「心を開くのは真実を見つめるためでもありますよね。
謙虚さを保ちつつ、何かに盲従しないためにも開くことは大切です」

ナビィさんは言葉を続けました。
心を開くということは固定観念をリセットし、
自分と世界をより客観的に眺めることなのかもしれません。

他者や自然への感謝とともに

斎場御嶽の道
挨拶を済ませたら、深刻呼吸。
心を穏やかにして、石段を登っていきましょう。

やがて、琉球石灰岩でできた6つのシンプルな香炉が目につくはずです。
ここは御門口(うじょうぐち)と呼ばれる御嶽の入口。かつては
特別な人だけしかこの先に立ち入ることができなかったそうです。
入れない人たちは場内にある6っつのイビ(神域)の代わりに
置かれたこれらの香炉に手を合わせていたそうです。

「場内に入ってから意識してほしいのは、感謝の気持ち。
この場所そのもの、ここを守ってきた先人たち、
ガイドや清掃整備で関わっていらっしゃる方々、
そして、いまここで同じ時間を過ごしている
参拝者に感謝の気持ちを抱いてほしいです」

そう語るナビィさん。
「ありがとう」という気持ちは人をピュアな状態にしますよね。
ピュアな状態になれれば自然が発するメッセージをより受け取りやすく
なるのだということでもあるのでしょう。

6つの拝所

斎場御嶽
さて、御門口の少し先の左手に見えてくるのが
大庫理(ウフグーイ)です。
少し高くなった座敷のような空間の奥に、
大きな岩に向かって祈りの場が設けられています。
ここは聞得大君の就任の儀式が執り行われていた場所だそうです。

「いろいろな宗教がありますけれど、
何に手を合わせるのだと思いますか?
頭の上の天と足の下の大地ではないかと私は思うのです。
天も大地も自然そのものですし、地球そのものですよね」
ナビィさんが語るように人は自然によって生かされています。
そのことをあらためて思い起こすことが、聖地での参拝なのでしょう。
斎場御嶽2
二番目の拝所は寄満(ユインチ)です。
台所を意味する寄満は海外から集められた交易品が溢れ、
国を潤す豊穣に満ちた状態の象徴とされています。
斎場御嶽3
三番目の拝所はシキヨダユル、アマダユルです。
天から垂れているような二本の鐘乳石が祈りの対象です。
天の恵みが鐘乳石を伝い滴り落ち、
水が溜まる小さな壺は吉兆を占う儀式に使われていたそうです。

「豊かであることは心も身体も健康であることではないかと思うのです。
健康であるとは、まっすぐしている状態ではないかと・・・。
姿勢がいい人を見ると美しいと思うでしょう?
まっすぐであることは天と地がつながっている状態なのです。
天だけとつながっていれば操り人形のように
風でゆらゆらしてしまいますが、大地ともつながっていれば、
そういうことはありませんよね。
大地とは自然でもあるし、
人が暮らしている“地域”でもあると私は思いますよ」
わかりやすく説明を続けてくださるナビィさん。
その言葉からはこの世のすべてのものを
敬おうとする沖縄の宗教観が伝わってきます。

自然が生みだした不思議な空間、三庫理

斎場御嶽の三角岩
続いての拝所は三庫理(サングーイ)。自然にできたとは思えない、
巨大な石灰岩がつくりだす三角形の空間は
御嶽の中でもひときわ目を引きます。

ゆっくり歩いて向こう側にたどり着くと、
右側にあるのがチョウノハナ(京のはな)。
クバの木を伝って琉球の創世神であるアマミクが降臨する
場所といわれています。
左側にはほど近くに久高島を遥むことのできる拝所があります。
斎場御嶽からの景色
「太陽は久高島の上から毎日昇って、
夕方には西の海に沈んでいきますよね。
地球上のすべての人を等しく照らすために
一ヶ所にとどまることなく循環しています」
“利他”の気持ちを持てば持つほど、
その人の心は大きく膨らんでいくものだと、
ナビィさんは言葉を続けました。

沖縄で自分を見つめ直す

斎場御嶽の内部3
混み会う場所だからこそ、譲り合う心が求められますよね。
記念の写真も撮りたい人もいるでしょうし、
壁に身を寄せて心ゆくまで祈りたい人もいるでしょう。
お互いに気配りしながら同じ時間を気持ちよく過ごしたいものですね。
慌ただしい毎日のなか、せっかちになったり、イライラしたり、
反対に萎縮してしまったりするのは誰にでもあること。
沖縄の自然の豊かさと人の温かさで心を穏やかになったところで、
斎場御嶽などの聖地を訪れてみてはいかがでしょう。
自分を見つめ直し、活力を充電するいい機会になるはずですよ。

スマートポイント

  • 斎場御嶽から車で1~2分の場所に神の島、久高島行きの船が出る安座真港があります。久高島は斎場御嶽とつながりが深いので、斎場御嶽に参拝したあとにおすすめです。せっかくの聖地ですから午後の混雑を避けるため斎場御嶽を開門と同時に訪問し、11:30の高速船で久高島に向かい、夕方に出る最終便のフェリーで戻ってくるというプランがおすすめです。 *参考:久高海運ホームページ

    ※入場チケットは「南城市地域物産館」(南城市知念字久手堅539)で購入が必要です。

福田展也

目下の趣味はサーフィン・沖縄伝統空手・養蜂。心で触れて身体で書けるようになることが10年後の目標。

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